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『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』

ロード・オブ・ザ・リング(旅の仲間)」、「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」と続いた旅もいよいよ終わり。この「王の帰還」が三部作の終章となる。

前作のラストから直接引き継がないのは前作「二つの塔」のオープニングと同じだが、一気に過去へと戻し、まだスメアゴルと呼ばれていた頃のゴラムが、”ひとつの指輪”を手に入れ如何に変貌していったかを描いたのには正直驚いた。「旅の仲間」でビルボがゴラムから指輪を奪った経緯は描かれていたが、それ以上の描写はないだろうと思っていたからだ。
結果的にここでゴラムの回想を挟むことで、ゴラムの指輪に対する執着や自身の葛藤へ繋げるのだから、なかなか計算されたシナリオ、演出だったと言える。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』_e0033570_06121414.jpg「旅の仲間」のラストで一行は離散し、「二つの塔」ではフロドとサムのパート、アラゴルンとギムリ、レゴラスのパート、メリーとピピンのパートに分かれ、それに復活したガンダルフが絡むという形になったが、「王の帰還」の冒頭ではアラゴルンたちとメリーたちが合流。然る後にガンダルフとピピン、アラゴルン、レゴラス、ギムリ、そしてメリーのパートの三分割に。それに相変わらずフロドとサムはゴラムを伴い別ルートを行く、という形で進行する。

主人公たちが幾つかに分かれてしまうと、その分ドラマは複雑に。おまけに重たい話が続き、しかも上映時間は三部作中最長の201分。ということで注視する根気、集中力がもはや自分にはない。三部作のイッキミなどをしていたのは遠い昔のことだ。
それに短期間にかなりのハイペースで見直しをしていたので、お話が重たいと感じるだけでなく、多少飽いた面も。

かくして指輪を巡る壮大な旅は終わりを告げたが、物語は終わらない。時を遡り、指輪の因縁が新たに語られるもう一つの三部作が幕を開けるのであった。

またAmazonはネット配信ドラマとして、この映画の前日譚にあたるオリジナルの物語の製作を発表。詳細が不明なのでスタッフやキャストがこれら劇場版と共通するのか、それとも全くの別物として作られるのかはわからないが、「中つ国」の冒険がまだまだ続くことは間違いない。本作でガンダルフを演じたイアン・マッケランは、新作ドラマでの続投に意欲的のようだが。

【ひとこと】
エンドクレジットにショーン・ビーンの名前があるのが嬉しい。ボロミアは「旅の仲間」で命を落とし、本作ではフッテージ流用による回想シーンのみの出演だが(実際には出演シーンの撮影はされたが最終的にカットされた。<エクステンデッド・エディション>ではその雄姿を見ることが出来る)、彼も立派な”旅の仲間”。大事にされ、愛されてる感が端的に伝わってくる。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/286983/
https://odin2099.exblog.jp/6523991/
https://odin2099.exblog.jp/19348806/
https://odin2099.exblog.jp/23161813/


by odin2099 | 2018-07-27 06:17 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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