謎の美女と一夜を共にした少年だったが、教えられた電話番号は偽りのものだった。
彼女を忘れられない少年は、必死になって街中を探し回るが……
というお話だと思いきや、むしろ主人公はこの謎の美女の方だった。
断片的に自分語りが入るものの、それはやや一貫性を欠き、それがまた彼女の謎めいた魅力となっているが、総合すると彼女には結婚には至らなかった恋人がいたか、もしくは既に別れた夫がいて、子供もいるようだが一緒には住んでおらず、夜ごと街へ繰り出しては本能の赴くままに若い男を求めている、ということらしい。
最初はこの二人が別々に描写され、いつの間にか一緒に寝るシーンへと移ってしまうので、どういう関係なのか、どうやって知り合ったのかがサッパリ。
おまけに本筋とはあまり関係ない(この二人とも直接絡まない)ような脇のキャラクターが多く、これまた断片的に描かれるだけなので全体としてのストーリーも頭に入ってこないのも気になる。
監督はアウレリオ・グリマルディ、脚本はグリマルディとミケーレ・ロ・フィッコの共同。
出演はロレダーナ・カナータ、アルトゥーロ・バグリア、パスカル・ペルシアーノ、フランチェスコ・ディ・レーヴァ、ジャンルーカ・クオーモら。
主演のロレダーナ・カナータは妖艶なだけでなく知的な感じも漂わせる美女だが、せっかくの彼女の肢体も全体的に画面が暗く十二分に拝めないのが残念。
またそんな暗い画面にも容赦なくモザイクがかけられ、その部分だけボーっと淡く光って見えてしまうのはかえって猥雑だ(ちなみにネット上では無修正の映像が出回っているが、画面は総じて明るい。日本版だけ見えにくいように画像調整をしているのだろうか)。