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『アンドロメダ…』

落下した隕石から発見された微生物によって、一つの街が全滅するというバイオハザード物で、原作はマイクル・クライトンの『アンドロメダ病原体』
当時としては一種のパニック物という扱いだったのだろうか、それともサスペンス物という認識だったのか。
その微生物が宇宙由来ということでSFに分類されてはいるものの、エボラ出血熱などの騒動を経てみれば絵空事ではない身近な題材。
そのボーダーレスぶりは流石にクライトンである。

『アンドロメダ…』_e0033570_19185407.jpg映画の大半は、隔離された秘密の研究施設内で繰り広げられる密室劇で、主要な登場人物も四人だけ、と地味な印象を与える。
施設のセットも今日の目で見れば古臭くも感じるが、当時としては最先端技術を導入してのものだったのだろう。
その中で最後まで緊迫感を保った画面作りをしたロバート・ワイズ監督の手腕はもっと評価されるべき。
『スター・トレック』のような超大作SFよりも、こういった緻密なSFの方が合っていたのかも知れない。

今回はTV放映された際に録画した短縮版での観賞。
オリジナルは130分あるが、放送枠の関係からおそらく90数分に切り詰められていると思われるが、微生物の分析、生存者の謎解き、そしてクライマックスの施設内の感染…それらのシークエンスでの舌足らずさはあるものの、逆にお話の全体像はわかりやすくなっているという利点もある。
初見でなければ、TV放送時の編集版もまんざらバカにしたものではない。

<過去記事>


Tracked from いやいやえん at 2018-07-31 21:48
タイトル : アンドロメダ・・・
【概略】 アメリカ中西部の小さな町に人工衛星が墜落。機体に付着した未知のウイルスが原因で、住人は生まれたばかりの赤ん坊と、アル中の老人を除いて全滅。遺体の血液は全て粉末状に変化していた。細菌汚染の拡大を恐れた軍部は、科学者の中から各分野のスペシャリストを召集。ストーン博士をリーダーとする研究班を組織して、砂漠の地下施設へと送り込むが…。 SF .0★★★☆☆ マイケル・ク...... more
Commented by maki at 2018-07-31 21:47 x
こんばんは!
呼吸をわざと早めてアルカリ性に傾けさせるシーン、
そんな助かり方法があったのかと、
興味惹く場面でした。
赤ん坊とアル中老人のみが生き永らえた謎も、
ミステリーっぽくて面白かったですね。
Commented by odin2099 at 2018-08-01 21:42
> makiさん

クライトンらしいですよね。
実際のところ、どこまで科学的に正確なのかはわかりませんが、仮に大法螺だったとしてもリアリティがあり、説得力のあるものだと思います。

出てすぐに飛びついたものの、そのまんまになっているリメイク版もそろそろ見てみようかな。
by odin2099 | 2018-07-28 19:25 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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