ロジェ・ヴァディムの監督デビュー作で、主演は当時の愛妻ブリジット・バルドー。
いきなり全裸で横たわる彼女のシーンで始まるのだから、監督の嫁さん自慢も徹底している。

そのBBが扮するのは18歳の孤児ジュリエットで、そのセックスアピールに彼女を引き取った家の主人をはじめ、街の有力者やら若者やらが振り回される。
ところが彼女自身はなかなか満たされない想いを抱えていて…と、艶笑コメディかと思いきや意外に暗くて重たいお話だった。
ちょっとしたサスペンス風味を挟みながらも最後は一応のハッピーエンド、と言って良いのかな。
え、ここで終るの?とちょっとビックリはしたが。
まあお話はともかくとして、ブリジット・バルドーの奔放で小悪魔的な魅力が全編に亘って炸裂!
撮影当時の彼女は21か22くらいだと思うが、堂々たる主演女優の貫録。
こんな娘が実際にいたら振り回されてみたい気もするけれど、身を亡ぼすのがオチだろうなあ。
共演はクルト・ユルゲンス、クリスチャン・マルカン、ジャン=ルイ・トランティニアン、ジョルジュ・プージュリーら。
ヴァジェム監督があまりに魅力的にBBを描いたせいか、撮影中にトランティニアン(こちらも既婚者)がBBと恋に落ち、双方共に離婚するというオマケ付き。
最初にアプローチしたのがどちらかは知らないけれど、もし彼女に迫られたら拒めないだろうと素直に納得してしまう。
【ひとこと】
監督がレベッカ・デモーネイを主演に自らリメイクした作品(『可愛い悪女』)も是非見たい。