
TVシリーズ「仮面ライダーW」の4エピソードを手掛けた上で、
坂本浩一が初めて監督した「仮面ライダー」の劇場版。
今のところ<ウルトラマン>と<仮面ライダー>、両方を監督した唯一の存在だ。
基本は仮面劇だった前作
「ウルトラ銀河伝説」は別だが、アクションメインの構成に
杉本彩に
八代みなせといったセクシーなゲストヒロインの登場と、監督の作風はこの時点で既に完成されている。
仮面ライダーWは「二人で一人の仮面ライダー」だが、今回の映画ではどちらかというとフィリップがメイン。
母かも知れない女性マリアへの思慕や、その正体、目的を知った後での葛藤などなど芝居どころも多い。
演じる菅田将暉も芝居が上手くなったなぁと感じさせられたが、まだ高校生なんだよね、彼。末恐ろしい…?
と当時書いているのだけれども、その後の活躍ぶりは周知の通り。すっかり邦画界を背負って立つ若手のホープになっている。
ちなみにフィリップとマリアの関係は
「銀河鉄道999」の鉄郎とメーテルが落とし込まれているのだとか。
ただアニメーションで描かれるメーテルは透明感を保てるかもしれないが、杉本彩という肉体を得たマリアにはより生々しさを感じてしまう。
メーテルもやたらとヌードを披露したりで本来ならばかなりセクシャルなキャラクターではあるのだが、マリアの胸元がチラチラ見えたりミニスカートだったり、ボディーラインがハッキリ出る身体にフィットした衣装を着たりでフィリップに接する様子は、より禁忌な匂いが漂ってくる。
またコメディエンヌぶりが際立つ正ヒロインの鳴海亜樹子(演:山本ひかる)と対局なのが、NEVERの一員・羽原レイカで、演じてる八代みなせもチラっと胸元はだけての変身シーンや脚技中心の格闘シーンに必要以上の色気を感じるが、これも全て監督の持ち味だ。
で、今回の映画、<平成ライダー>の中では完成度はかなり高いと思う。
TV観てないと(観ていても?)わからない作品や、どう考えてもTVとは矛盾する作品、完全に独立した外伝というかアナザーストーリー等々色々あったけれど、TVの映画化であり、TVからはみ出してもいないという点ではこれまでの中では一番と言っても良いかも知れない。
というのも以前の時期からの引用だが、<平成仮面ライダー>の夏映画の中でも屈指の完成度。
次回作「仮面ライダーOOOオーズ」の主人公が先行して登場する場面はあるものの、他に余計な要素がなく「仮面ライダーW」という作品世界の中で物語が完結しているのも大きい。
【ひとこと】
仮面ライダージョーカーのテーマは格好良い。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/13251943/https://odin2099.exblog.jp/15503273/