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『借りぐらしのアリエッティ』

原作はメアリー・ノートンの「床下の小人たち」、スタジオジブリが英米児童文学に挑んだ一本です。
何故か舞台がイギリスから日本へ移されてますが、実写じゃなくアニメなのだから原作のまんまで良さそうなんですけれどねえ。
出てくる風景も日本っぽくないし、小人たちと絡む人間側のキャラクターを日本人にした必然性も感じられません。
やはりジブリで原作モノは…(「ボロワーズ/床下の小さな住人たち」という実写映画に比べれば、遥かに原作に近いですけれど)

『借りぐらしのアリエッティ』_e0033570_21302137.jpgまあ原作とは別モノになってますけれど、原作クラッシャーというほどではなく、一本の映画として見ると悪くない出来です。
というか、今回公開以来8年ぶりに見直したのですが(つい最近の作品の気がしてましたが、もうそんなに経ったのかあ…)、当時よりも愉しく見られたかも。
中身スカスカの薄っぺらなラブストーリーに感じてましたけど、記憶にあるよりアリエッティは弾けた少女でした。そしてやはり音楽は素晴らしいです。

それでも翔クンは相変わらず捉えどころがないというか、なまじっかイケメンに描かれてるので全て許されてるというか…。
病身に甘えてないのは良いと思いますけれど、割と残酷なことを平然と言うし、自分勝手な正義を振りかざし、親切を押しつける傾向があるのはちょっと共感出来ません。
でもそんな翔クンに、アリエッティは惚れちゃった、のかな?

そこで、翔クンとアリエッティ一家は仲良く暮らしました、という安易なハッピーエンドにしなかったのは評価したいところです。
これ、ディズニーアニメだったら、アリエッティの両親が古い・狭い考えを捨ててアリエッティの進歩的な(?)考えに共鳴し、手術が無事に成功し元気になった翔クンのところに、あのドールハウスを譲り受けて居候する結末になったような気がします。
まあそうならなくて良かった良かった。

その一方で、映画は翔クンのナレーションで始まることから考えて、手術もおそらく乗り越えたと思われますが、その後にアリエッティたちと再会したことはないのかなと考えると一抹の淋しさもあります。
といっても最後に一家は大冒険をしたように描かれてますが、実際にはどの程度離れたものやら。
スピラーの案内で引っ越し先を見つけたということは、元いた場所から(人間にとっては)そんなに遠くではない気がします。アリエッティと翔、お互いに直接会わずともどこかでお互いに遠くから見つめていた、なんていう光景をちょっと妄想してしまいました。

<過去記事>



by odin2099 | 2018-08-17 21:32 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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