** ネタバレ注意 **
IMFの凄腕エージェント、イーサン・ハント役で自ら危険なスタントをこなすトム・クルーズが、撮影中に大怪我を負ったということが、あえって宣伝効果を生んでしまったシリーズ第6弾。
監督のクリストファー・マッカリーをはじめ、ヒロインのイルサ・ファウスト(演:レベッカ・ファーガソン)に悪役のソロモン・レーン(演:ショーン・ハリス)が続投。
イーサンのチームはトム演じるイーサン以外では唯一のシリーズ皆勤賞のルーサー(演:ヴィング・レイムス)に、ベンジー(演:サイモン・ペッグ)、それにCIAからイーサンのお目付け役として派遣されたオーガスト・ウォーカー(演:ヘンリー・カヴィル)。
次回作(あるのか?)では復帰なるか?
またアレック・ボールドウィンが演じるハンリー長官も続投だが、残念ながら本作中に命を落とす。
IMFは相変わらず落ち着かない。
この作品に関しては「アクションすげー!」とか書いても仕方ないので(まだシリーズ続ける気なら、いつか撮影中に死ぬぞ、トム)ストーリーについて語ろうとしたけれど、今まで以上に人間関係が入り組んでいて、誰が敵で誰が味方やら、うかうかしてると付いていけない。
基本イーサンとベンジー、ルーサー、それにジュリア以外はみんな裏の顔を持ってると思った方がいい。

前作で壊滅したと思われたシンジケートの残党に接触する、”ジョン・ラーク”なる謎の男。
「組織内部に裏切り者が?!」パターンのキャラで、状況証拠はその正体がイーサン自身だと告げているのだが…って流石にそれはない。
となるとイーサンの傍に居て協力してるような邪魔してるようなウォーカーが怪しいのだけれど、やっぱりそうだった。
怪しさを装ってるだけなのかと思ってたけど。
そしてウォーカーの上司、アンジェラ・バセット扮するCIAの長官エリカ・スローンも同じ穴の狢?黒幕か?と思わせて、実は……。
いや、もしかすると土壇場で計画狂ったから開き直って表替えったふりしてるだけにも思えてくるけど、次回作があるなら彼女がイーサンたちに指令を下す立場かなあ。
そのラークへの手掛かりとなるはずだったホワイト・ウィドウ(演:ヴァネッサ・カービー)は、
一作目に登場した武器商人マックスの娘という意外な繋がりが。
単にイーサンを翻弄する謎めいた美女という役回りに留まらず、この人も裏であちらこちらと繋がっていて、行動が読めない。
更に前作のヒロインであるイルサも、イーサンを助けたり、その行動を邪魔したりと謎めいた行動をとるのだが、スパイの世界は表向きの対立、横での繋がり、裏にある真の顔、となかなか大変だな。
ところで劇中でルーサーが彼女に「イーサンが愛した女は二人いた」、「一人は妻のジュリアでもう一人が」君なんだと暗に仄めかすシーンがあるのだけれど、うーん、イーサンが心を動かされた女性は三人いると思うよ。
一人目は一作目のヒロイン、エマニュアル・ベアールが演じたジムの妻クレアに間違いないと思う。
なんだかんだでギリギリ、本当にギリギリのところで世界は救われるのだが、2時間半の上映時間中、緩急なんてものはほぼない。
従来なら緊迫したシーンにも盛り込まれていたユーモアも皆無に近い。
登場人物だけじゃなく、観客にも上映中の全力疾走が求められるのだ。
面白い映画であることは認めるが、心地良いどころかどっしりとした疲労感。
少しは息抜きさせて欲しい。
【ひとこと】
何度も書いてるけど、素人に吹替させるのはいい加減やめろ!