Blu-rayソフトが出たので改めて観賞したが、<マーベル・シネマティック・ユニバース>の10年、そして19作目の重みをひしひしと感じる作品だった。
これまでの作品群でメインを張ってきたキャラクターたちの殆どが登場。
お馴染みの顔ぶれ同士の再会もあれば初めての出会いもあるが、そこは同じ世界の住人たち、その邂逅はスムーズに描かれている。
そして全編が見せ場。

各キャラクターが作品中でどのくらい映っているのかを調べた人が何人かいるようだが、その労作によると2時間半の超大作ながら、ヒーロー側で一番出番が多いアイアンマン=トニー・スタークでさえ18分、キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャースが7分弱、ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフは5分、バッキーに至ってはなんと2分という少なさだ。
それでいて上映中はそこまで少ないとは感じさせない。
要は密度と見せ方の問題だということだろう。
大戦争が起り、大いなる悲劇に見舞われる内容であり乍ら、シリアス一辺倒ではなく、コミカルなやりとりもあれば箸休め的な場面も用意されている。
娯楽作品に課せられる様々なハードルを、この作品は次々とクリアしていく。
<MCU>19作目ということは、平たく言えば「アイアンマン」パート19。どうしても一見さんお断りな面は否定できない。
そして物語は明らかに「次回へ続く」。
当初は前後編の「前編」として準備が進められ、途中で独立した作品へ方向転換を果たしたとはいえ、それでも前後編の「前編」であることに変わりはない。
ということは単独の、一本の映画としてこの作品を評価するのは非常に難しい。
というより不可能だと言い切っても良いのだが、それでも「今からでも遅くはない」「この作品からでも<MCU>の世界へ入り込める」と言いたくなる。
<MCU>最高傑作の誕生かもしれない。
<過去記事>