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『コンタクト』(1997)

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ベストセラーとなった『コスモス』(及びそのTV化作品)で知られる天文学者カール・セーガン初の小説を映画化。

地球外知的生命体の存在を信じる電波天文学者のエリーは、周囲に疎まれながらも、ついに恒星ヴェガからの電波通信を傍受。解読されたその通信は、宇宙間移動装置「ポッド」の設計図であることがわかり、建造すべきか否かで世界は揺れる。
やがて建造された「ポッド」で旅立ったエリーは、そこで今は亡き最愛の父と再会する…?

少々理屈っぽい原作とは異なり、ビジュアルで「魅せる」作品となっている本作だが、ポイントとなるのは「科学」と対比して描かれる「宗教」の問題だろう。
日本人にはわかりにくい感覚だが、キリスト教圏のアメリカにあっては、異なる文明との遭遇、それによって起こるやも知れぬ「神」の価値観の変貌は、自身のアイデンティティーに関る重大問題なのだ。

主人公エリーを演じるのは知性派ジョディ・フォスター
原作者も絶賛した彼女ではあるが、惜しむらくはもう数年早く演じて欲しかったもの。
監督交代劇等がなければもう何年か早くスクリーンに登場したはずで、今とは違った瑞々しいエリーの姿も見られたかと思うと残念。

また作品発表と同じに映画化が決定しながらも、実際に完成するまでには10年以上の歳月を必要とし、結果的にセーガンは完成作品を見ることなく亡くなったのも惜しまれる。

それにしても日本はまだまだ理解されてはいないようで、劇中の北海道の描写もかなり厳しい。

――以上、「しねま宝島」からの転載。

『コンタクト』(1997)_e0033570_19435162.jpg
『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』に連なる系譜のファースト・コンタクトもの。
その展開は理詰めで、一転”超存在”と接触する際にはファンタジーに寄る、そのバランス感覚が素晴らしい。
二十年ぶりくらいに見直したが、色褪せてはいなかった。
ロバート・ゼメキス監督の手腕も手堅い。

ジョディ・フォスターの「リケジョ」ぶりにも説得力あり。
その一方マシュー・マコノヒーとあっさりベットインしちゃったり、その後でノーブラのままシャツを羽織って仕事へ出かけたり(クッキリと浮かび上がって眼福)といったセクシーさとのギャップも、彼女をより魅力的に見せていると思う。

宇宙人はいるのかいないのか。
「宇宙はとっても大きい」「地球人だけじゃもったいない」
至言である。



by odin2099 | 2018-09-20 19:59 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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