実は以前この実写版を見た時は、まだ
アニメ版を見たことがありませんでした。
で、先日初めてアニメ版を見て、それで今回実写版を見直したのですが、アニメを実写化したというより、新たに「シンデレラ」を映画化した、というくらい違いますね。

まず動物の擬人化はなし。
といっても魔法で従者や御者に変えられてしまう件はそのままですが。
そしてシンデレラの過去が詳細に描かれ、また継母トレメイン夫人がシンデレラに辛く当たる理由も明らかにされます。
彼女もそれなりに辛い過去があり、シンデレラに対しても複雑な感情を抱いていたということです。
義姉ドリゼラとアナスタシアはアニメ版ほど陰湿な関係ではなく、また馬鹿にしながらもシンデレラにもそれほどきつく当たってる風もありません(陰謀を巡らせたり、悪役ポジはトレメイン夫人が一手に引き受けています)。
また森の中でのシンデレラと王子の出会いが追加され、いきなり舞踏会で出会うのではなく、それ以前に二人は共に惹かれ合っていたということになりました。
それによって王子の出番も増え、父王を尊敬し国の行く末を憂い乍らも自分の意思を貫き通そうと葛藤する姿が描かれています。
アニメ版だと王子は記号でしかありませんから、これでラブストーリーも盛り上がります。
悪役ポジションにはもう一人、お城の大公も加わりました。
国を我が物にしようとかいう大それたヴィランではなく、あくまで彼なりに国に忠誠を尽くす立場にありますが、そうであればこそ氏素性のわからない娘と王子との結婚など考えられないと画策することが二人の愛の障害になっていきます。
と、ここまでくれば立派な別モノ。
よく「アニメを忠実にトレースして云々」という記事を見かけるのですが、「どこが?!」という感じです。そりゃ粗筋は同じでしょうけれども。
しかし今回困ったのが、シンデレラが薄幸の美少女に見えなかったこと。
あの作品のリリー・ジェームズってちょいと肉付きもよく、かなり逞しい女の子だったものなあ。
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