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『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

<ハリー・ポッター>シリーズの4作目で折り返し点。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』_e0033570_22132101.jpg十数年前に悲劇が起き、一旦はその脅威が取り除かれ表面的には平和が訪れていたものの、今なお闇の勢力は蠢き続けている、という世界観。
その中にありながら主人公が呑気に(?)学園生活を送っているというのがどうにもピンと来ず、ダンブルドアの危機管理能力の欠如、楽観的態度が気になっていたのだけれど、遂に本作で闇の魔王が復活、そしてゲストとはいえメイン格のキャラクターに尊い犠牲者が出てしまい、物語のムードが一変する。

これは監督・プロデューサーとして参加していたクリス・コロンバスと、音楽担当のジョン・ウィリアムズがシリーズを去ったのと無縁ではないのだろう。
原作小説に寄り添うように作られてきた映画版も、ここへきて大きく舵を取り独自の歩みを見せるようになっていく。

ここでハリーとロンが仲違い。
シリーズの後半で二人はもう一度訣別するが、ここではロンのハリーに対する嫉妬心が原因。
シリーズで一貫して親友同士として描くのは厳しいので、ここらでアクセントをつけよう、シリーズの展開に変化をもたらそうというのかもしれないが、ロンの納得の仕方から和解に至るまでが説得力に欠けるので今一つそれが盛り上がらない。

ただ独立した作品としての見応えは随一か。
死と隣り合わせの光と闇の対決という緊迫感と、青春を謳歌する若者たちの学園物とのバランスがギリギリで保たれている。

<過去記事>



by odin2099 | 2018-10-01 22:17 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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