【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『わが青春のアルカディア』

「銀河鉄道999」('79)、「さよなら銀河鉄道999」('81)、「1000年女王」('82)と続いた松本零士の<宇宙の海四部作>の最終作。
もっともこの時点では5作目として翌83年夏に「クイーン・エメラルダス」が予定されていたものの、この作品の興行的不振と続編TVシリーズ「わが青春のアルカディア 無限軌道SSX」の低視聴率により中止。
その後にインターバルをおいて「コスモロード0」(85年予定)や「銀河鉄道999/透明宮への旅」(87年予定)の製作を発表したものの、どちらも実現していない。

「キャプテンハーロック」の劇場アニメ化という話が最初に出たのはいつ頃だったろう。遅くとも80年の夏頃には、翌81年夏公開予定として製作中との情報はアニメ誌などに流れていたはずだ。
次いで「宇宙海賊キャプテンハーロック」の再アニメ化ではなく、「ハーロック」の前奏曲的なオリジナルストーリーになるともアナウンスされて、未知なる作品へ期待が膨らんだものだ。

e0033570_19514710.jpgいつの間にかそれが82年夏公開へと延期になり(81年夏には春公開の予定だった「さよなら銀河鉄道999」がスライド)、タイトルが「わが青春のアルカディア」であると明らかになったのはそれからしばらくしてからだが、既に同名作品が存在していることもあり一瞬狐につままれたような気分になったが、紛れもなく宇宙海賊であるハーロックの物語と聞き安堵したものだった。

四部作と謳いながらも他の作品とのリンクが明確ではない「1000年女王」と違い、この作品はハーロックとトチロー、それにエメラルダスだけでなくメーテルも登場。黒騎士ファウストも出てくるのでは?という噂も一部ではあり、松本アニメの集大成として期待は弥が上にも高まったのだったが……。
出来上がった作品は期待を満たしてくれるものではなかったのは既に何度か書いている通り。

ならばTVシリーズ「無限軌道SSX」に期待したいところだったが、途中で打ち切られたこともあって当初に想定されていたであろう展開は見られず仕舞い。今度こそメーテルが登場するとか(1話にシルエットは映っているが)、ラ・ミーメと交替して姉のミーメがアルカディア号に乗り込むとか、ファウストになる前の鉄郎の父親や、メーテルの父ドクター・バンが出てくるとか(ドクター蛮というキャラクターは出てくるが、この人物がメーテルの父親かどうかは定かではない)、期待された他作品とのリンク部分は全て切り捨てられてしまった。逆に有紀螢のアルカディア号乗組員となる経緯や、トチローが最期を迎える過程など矛盾点が増えてしまう有様で大いに失望させられた。

それもこれもこの映画が大ヒットしていれば問題なかったのだろうが、あれもこれもと詰め込んでまとまりを欠いたお話もさることながら、やはり最初の劇場版「宇宙戦艦ヤマト」から5年、TVと劇場を席巻した「松本零士作品」は飽きられてしまったのだろう。前年には劇場に「機動戦士ガンダム」が掛ってブームになるなど、時代は確実に移り変わっていたのだ。

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by odin2099 | 2018-10-10 19:56 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)
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