『宇宙からのメッセージ』(1978)
2006年 02月 16日
じゃその前に便乗作品で一儲けしてやろう、と考えた東宝が同年暮に公開したのが『惑星大戦争』であり、翌年のゴールデンウィークに向けて東映が作ったのが『宇宙からのメッセージ』です。
『惑星大戦争』の方はそれほど話題にはなりませんでしたが、『宇宙からのメッセージ』は結構ヒットし、海外での反響も大きかったようです。特にクライマックスのガバナス要塞内部でのドッグファイトが評判になったようですが、後の『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐(ジェダイの帰還)』にはこれとよく似たシーンがあります。本家を先取りしたということになるでしょうか。
もっとも映画そのものは、ビック・モローを初めメインに外人キャストを何人も起用して国際色を醸しだそうとしていますが、千葉真一やら成田三樹夫やら佐藤允やら丹波哲郎やらが出ているなど、『スター・ウォーズ』のようなスマートさはなく、極めて泥臭い作品になっています。おまけにナレーションが、『水戸黄門』や『大岡越前』などで御馴染みの芥川隆行ですからねぇ。
東映ヒーローの劇場用拡大版という側面もないではないですが、むしろ伝統的な東映時代劇をそのまま宇宙へ持って行ったような感じです。
深作欣二監督はこの作品の前に、時代劇復活を謳った『柳生一族の陰謀』を撮っており、そのままスタッフやキャストが流れているせいもあるのかもしれません。製作が大泉撮影所ではなく、京都太秦の撮影所だというのも遠因でしょうか。台詞回しも時代劇調ですし、最後は宇宙を舞台に大チャンバラで締めくくられます。
お話は『南総里見八犬伝』をモチーフに、神聖なるリアベの実に導かれた8人のリアベの勇士が集まって、邪悪なるガバナス帝国に戦いを挑むというものですが、この8人が今ひとつ活かし切れていないのが惜しいですね。
ただ、酸素マスクだけで宇宙遊泳をやらかしてしまうような荒唐無稽さに目をつぶれば、なかなか楽しめると思います。
また、志穂美悦子がアクション控えめの可憐なお姫様、メジャー・デビュー直後の真田広之が宇宙暴走族という役どころなのが、今の人には新鮮に見えるでしょう。
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3月31日(水) 21:00~ 銀座シネパトス2 料金:1300円 宇宙からのメッセージ [DVD]出版社/メーカー: 東映ビデオメディア: DVD 銀座シネパトスの「奇想天外シネマテーク8 SF・ファンタジー編」の一本。まずは、映画館発行のチラシから当作品の解説を引用。 <引用開始> 東映がスター・ウォーズブームに乗って10億円を投じたSF大作。千葉真一のハンス王子と顔面銀塗りの成田三樹夫のロクセイア12世の『柳生一族の陰謀』タッチの対決は必見!「その罪、万死に値する!」 <引用終り> ...... more
真田広之がチューバッカ似の猿人さんとコンビ組んでた特撮『銀河大戦』もありましたよね。
あれはSW前ですか後ですか?
スミス?の『スターウルフ』が元になってた・・・と思うのですが。
初回から3回くらい見た覚えがあります、真田くんがかっこよくて(笑)
アメリカのTVシリーズでも『スペース1999』とか『宇宙空母ギャラクティカ』とか、毎回楽しみでした。
この頃はSFブームと騒ぎ立てられていましたので、各局がSF作品を流していました。
エドモンド・ハミルトンの『スターウルフ』は円谷プロが製作し、よみうりテレビ系列で放送していましたし、
同じハミルトンの『キャプテン・フューチャー』も、NHKがアニメ化してましたね。
『宇宙からのメッセージ/銀河大戦』に関しては別トピックスを立てましたので、そちらを参照してください。
『スター・ウォーズ』は当然これらの作品の前に製作されていますが、
日本での公開ということで考えるならば、『スター・ウォーズ』前ということになりますか。
『宇宙空母ギャラクティカ』は、『スター・ウォーズ』の模倣だとして、
ジョージ・ルーカスが裁判にまで持ち込んでいたような・・・。
そんなに凄いとは思わなかったけど(爆)。
それよりもせっかく感動した音楽が、後でパクりまくりだと知った時はガッカリでした・・・。