1979年春、ということはTVシリーズ放送開始から一年近く経った時期に公開された劇場版。
TVの方はそろそろ大団円へ向けての幕引きを図ろうかという頃だ。
「スタージンガー」そのものは、「マジンガーZ」以来の東映動画製作、フジテレビ日曜夜7時台放送の番組で、「マジンガーZ対デビルマン」以降<東映まんがまつり>の看板を背負ってきたが、原作者が永井豪から松本零士にバトンタッチしてからは主力の座を他作品に譲るようになり、遂にこの作品が打ち止めとなった。
放送枠としてはこの後も「SF西遊記スタージンガーII」、「円卓の騎士物語燃えろアーサー」と続くものの、それも「燃えろアーサー白馬の王子」を最後に消滅してしまう。
この作品には石丸博也、冨田耕世、富山敬、杉山佳寿子といったレギュラーメンバーに加え、ゲストとして神谷明が出演しているが、このように”日曜7時フジ”所縁のキャストが揃っていると、作品内容以上に感傷的な気分になる。
ただ東映動画製作の松本零士原作作品としては、「惑星ロボ ダンガードA」、「宇宙海賊キャプテンハーロック」、「銀河鉄道999」、そしてこの作品と一通り劇場版が製作されているので、<まんがまつり>の歴史にはしっかと爪痕を残している(残念ながら後続の「新竹取物語1000年女王」や「わが青春のアルカディア 無限軌道SSX」では劇場版が作られていないが、単に人気の低下ということではなく<まんがまつり>自体の性格の変化も一因だろう)。
TVアニメとしての企画が先行し、ある意味”雇われ原作者”というスタンスで関わったためか、「ダンガードA」と「スタージンガー」は長らく松本アニメとしては継子扱いされてきたが、近年では「銀河鉄道999」と融合。陰ながら鉄郎とメーテルの護衛を務めるなど、晴れて<松本零士ユニバース>の住人になったようである。
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