「機動戦士ガンダムUC」最終章。
六章までは1時間だったランニングタイムが1時間半に拡大され、完結編としての見応えもアップ。
この作品が成功した理由の一つには、旧作のキャラを重要なポジションで使ったことも大きいのでは。
これまでも「0083」にジャミトフ・ハイマンやバスク・オムが出てきていたがそれほど大きな役回りではなく、ハマーン・カーンも影響力の大きなキャラ故か顔見せに終始していた。
ところが「ガンダムUC」では、旧作出自のキャラとはいえミネバ・ザビはほぼ本作オリジナルのキャラになっていたものの、カイ・シデン、ベルトーチカ・イルマ、それに
ブライト・ノアは旧作を彷彿とさせる描かれ方。
特に歴戦の勇士にして数多のガンダム・パイロットを見てきたブライトの存在感は圧倒的で、彼がいたからこその「ガンダム」という想いをより強く感じた。
そしてこの最終章ではノン・クレジットかつ姿はハッキリとは見せはしないものの、フル・フロンタルではないオリジナルのシャア・アズナブル、ララァ・スン、そしてアムロ・レイも登場し、「逆襲のシャア」の続編として機能しつつ「ファースト・ガンダム」以来の因縁に決着をつけることにも成功している。
富野由悠季抜きでどこまで旧作の世界観を構築、維持、刷新していくかにおいて「UC」は十分な結果を残した。
今後「宇宙世紀」を舞台にした「ガンダム」を作る上でのハードルは大きく上がったが、続く「THE ORIGIN」は「ファーストガンダム」の前日譚というまた新たな切り口で成功をおさめ、現在公開中の「機動戦士ガンダムNT」、「機動戦士ガンダムUC2」、「機動戦士ガンダム/閃光のハサウェイ」は、この「UC」以降の世界を描いて行くという。
スタッフのチャレンジに大いに期待したい。
【ひとこと】
アンジェロはDQNのまま終わり、リディは都合よく(ちゃっかりと?)主人公ポジに戻り…この二人、物語をかき回す存在なのだが、結局のところ周囲に大して影響は与えてないな。
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