
老人ホームに暮らすアート、ベン、ジョーの楽しみは、隣の空き家になっている別荘のプールに忍び込んで泳ぐこと。
しかしある日、ウォルターたちに借りられてしまう。
一方ウォルターは、ジャックが船長を務めるクルーザーを借り切り、毎日海中から謎の球体を引き上げていた。
アートたちはスリルが忘れられず別荘への侵入を続けるが、プールには引き揚げてきた謎の球体が沈められていた。
意を決して三人はプール通いを続けるが、何故か若者のように生気が甦ってくるのだった。
ウォルターは不審に思うジャックに自分たちの正体を明かす。
彼らはアンタレス星から来た宇宙人で、大昔地球を訪れた際に残された仲間たちの救出に来たというのだ。
そしてアートたちにもプールで泳ぐことを許可する。
そのプールには仲間を回復させるためのエネルギーが満たされており、その効用で三人も若返ったのである。
だがそのことは他の老人ホームの住人たちの知るところとなり、我先にとプールへ飛び込んでいく老人たちによってプールのエネルギーは枯渇し、遂にはアンタレス星人に犠牲者が出てしまう…。
宇宙人とのファースト・コンタクト物の一本で、この作品に出てくるアンタレス星人は実に友好的。
リーダーを演じているのが強面のブライアン・デネヒーなのでちょっと構えてしまうが、その態度は極めて寛大。
彼らはかつてアトランティス大陸に基地を設けていたが、大陸沈没の際に何人かの仲間が取り残されてしまい、それを救出するのが任務。
その正体を訝しんだジャックには紳士的に接して信頼を勝ち得、不法侵入者であるアートたちにもプールの使用を快諾。
その結果、本来は仲間たちを活かすためのエネルギーを使い切り、挙句の果てに犠牲者を出しながらも地球人の身勝手さに一言の恨み言も無し。
更に不老不死を望む老人たちを母星へと連れて行ってくれるというのだから恐れ入る。
この作品を評して”老人版『E.T.』”という声も聞かれたが、もしかするとE.T.よりも善意の塊ではないかと思う。