<東宝チャンピオンまつり>で上映された『帰ってきたウルトラマン』の劇場版で、第5話「二大怪獣 東京を襲撃」と第6話「決戦!怪獣対MAT」の前後編を再編集したもの。
MATといえば素人あがりの郷とエリートの岸田隊員との対立がよくネタにされるが、この前後編も終始この二人が対立しっぱなしで、それが悪い方へ悪い方へ転がっていく。
今回に関しては岸田の行動は専門家らしくないし、威張り散らしてる嫌味な先輩にしか見えない。
対して郷に優しいとされる南隊員も今回は特に郷を庇うこともなく、代わりに郷の味方となるのは上野。
といってもあくまで組織内の立場は崩さないが。
そしてその対立を上手く収められなかったのは加藤隊長の判断力にも問題があるし(岸田を依怙贔屓してるようにも見えてしまう)、それに輪をかけてるのが傲岸不遜で融通が利かない岸田長官と、その腰巾着の佐川参謀。
ウルトラ警備隊だったらこんなことはなかったのに…。
自己中で勝手な行動をとることも多い郷だが、今回に関しては非はなく、なのに謹慎処分にはなるわ、恋人は瀕死の重傷を負うわと不幸のどん底へ。
そんな精神状態でもよくウルトラマンは勝てたものだ。
最後も無理矢理のハッピーエンドで、最後まで反省の色のない岸田の卑怯者っぷりだけが強調されてしまう後味の悪いものに。
このあたりのムードは次作『ウルトラマンA』にも踏襲される部分だが、スタッフは主人公を際立たせるためのテクニックだと捉えていたのだろうか。
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