<ジェームズ・ボンド>シリーズの第3弾、シリーズのフォーマットはこれで決まり。
本作の悪役ゴールドフィンガーは早々に登場し、しかも最初はボンドにおちょくられるなど”強敵”とは程遠い軽さが気になるのですが、片腕である不気味な殺し屋オッドジョブが出てくると画面が締まり、段々とゴールドフィンガー自身の怖さも増してきます。
ただ今回はバックにスペクターはいないようなので、得体のしれない強大な敵という雰囲気には最後までならなかったですね。
小細工を弄し、最後も「策士策に溺れる」という感じなのも彼らしいと言えるでしょうか。
ボンドガールとしてはまずジルとティリーのマスターソン姉妹が出てきますが、何れもあっけない最後。その前のアバン部分にもダンサーの女性が出てきますが、ボンドとちょっと良いムードになっただけで退場してしまいます。
真のヒロインは中盤から登場するプッシー・ガロワですが、彼女は男嫌い(かといって同性愛者だという描写もありませんが)。その彼女がボンドの”男の魅力”に屈してゴールドフィンガーを裏切り、そして事件を解決へ、という流れは以前も書きましたけど納得いきませんねえ。
ところで今回のボンドは何度かかなり危機的な状況に追い込まれますが、その都度CIAのフェリックス・ライターには「いつものように酒か女遊びだ」ぐらいにしか取り合ってもらえないという、ヘンなハラハラドキドキのシークエンスが何度かあるのだけれども、信用ないんですねえ。
途中で消息絶っても、Mでさえ本気で心配していませんし。
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