「ホビットの冒険」の第二部。
ブリー村の踊る仔馬亭が出てきたり、レゴラスが登場したりと「ロード・オブ・ザ・リング」とのリンクもしっかりと張られている。
なかでもレゴラスとグローインとの出会いは面白い。グローインが持ってた息子の肖像画を見て一言「醜い」というレゴラスだが、そのグローインの息子というのが後にレゴラスと深い友情で結ばれるギムリなのだ。
瀕死のキーリを救う薬草がアセラス(王の葉)、というのも細かいリンクになるのかな。
それにしても一本のドラマとして見た場合の面白さ、奥深さは感じるものの、こと「ホビットの冒険」の映画化と考えると些か小難しすぎる嫌いがある。
「指輪物語」を読んだことがなく「ロード・オブ・ザ・リング」を見たこともなく、ただ「ホビットの冒険」だけを読んだことがあるという人がこの作品を見た場合、はたしてこれは自分の知ってる世界だろうかと悩むのではなかろうか、そんな余計な心配をしたくなるほどだ。
ストーリーは確かに原作小説に沿ったものなのだが、付け加えられた要素は膨大。
サウロンの復活を含めガンダルフの単独行の目的や、早くも指輪の魔力の虜になっているビルボ等々、「ホビット」三部作の一篇ではなく、「中つ国」サーガ六部作の一篇としての色が濃い
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