『義経伝説推理行』 荒巻義雄/合田一道
2006年 02月 17日
という伝承を追い求めての、SF作家とノンフィクション作家のコンビによる紀行文。
”義経=成吉思汗”というのは兎も角として、実は義経は平泉では死ななかったのではないか、主従と共に落ち延びたのではないか、というのは、これだけ伝承やら史跡やらが残っているのを知ると、信じたくなってはくる。
俗に”判官びいき”という言葉があるが、かといって全てが”ひいき”のなせる作り話だと決め付けても良いものだろうか。義経伝説のルートを辿っていると、そんな想いに囚われてくる。
ただこれが北海道へ渡った後だと、アイヌの神々と義経との混同が顕著になり、とたんにその信憑性は乏しくなってくるようだ。
大陸へ渡ってからは言わずもがな。となれば逆に、奥羽を行く義経主従の道行は、俄然信憑性を高めてくるように思われるのだが。
ちなみに”義経=成吉思汗”だが、素人目にも100%ありえない、というのではなく、意外にも両者に共通点が幾つも見つかるところにロマンを感じる。