<MCU>の13作目で<フェイズ3>の幕開け。
「友情が友情を引き裂く」というコピーは誠に秀逸で、トニーとスティーブの友情を引き裂いたのは、スティーブとバッキーの友情だった、ということか。
もっともスティーブとトニーっておよそ仲良かった印象がないのだけれども、終盤には「バッキーは友人なんだ」というスティーブに対し「僕もだった」と哀しそうに答えるトニーにハッとさせられた。

ニューヨークやソコヴィアといった都市での大参事。
というよりも、それらはこれまでアベンジャーズの輝かしい勝利の記録として扱われてきたのだが、多くの人たちが救われた半面、少なからずの犠牲者が出ていたことも事実で、その価値観の反転はある意味で恐ろしい。
ラゴスでの一件も必ずしもワンダのせいではなく、むしろ彼女は大勢の人を助けたとも言えるのだが、一度動き出した世論はそう簡単に覆らない。
そこで思い出すのが、既にシールドという組織が(表向きは)崩壊し、彼らの後ろ盾となるものが何もないという事実。
おそらくシールドが、そしてニック・フューリーが健在だったならばこうはならなかったのだろう(実際に『アベンジャーズ』直後にニューヨークの件が問題視されなかったのは、シールドが何らかの働きかけをした可能性がありそうだし)。
そしてシールド亡き後は、事実上”自警団”として野放し状態のアベンジャーズの戦力を脅威に感じ、コントロールしようという動きが出てくることも必然かなと見直すうちに感じてきた。
このソコヴィア協定に関するスティーブとトニーの対立、その後に来るトニーの父親の死の真相を巡ってのトニーとスティーブの決裂が結果的にサノスを食い止められなかった遠因になることを思えば、より深い味わいが出てくるというものだ。
【ひとこと】
それにしてもエンドクレジットに出てくる文句が「スパイダーマンは帰ってくる」なのはなんで?
次回作じゃないし他社作品(<MCU>に属してるけどディズニーじゃなくソニー作品だ)だし、他のヒーローたちも帰ってくるのに…。
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