前作から20年後を舞台にした
「メリー・ポピンズ」の続編。原作はシリーズ物だが、どうやらこれは映画オリジナルのストーリーのようだ。
バンクス家の姉弟――ジェーンは独身で労働者の権利を勝ち取るための運動に身を投じており、マイケルは3人の子供の父親となるが昨年妻を亡くし、生活も苦しく画家としては食べて行けずに父や祖父のように銀行で働きはじめるが、借金の返済期限が迫っていた。
そんな時、風に乗ってあのメリー・ポピンズが再び彼らの前に姿を見せる。
主演はジュリー・アンドリュースからエミリー・ブラントに交代。劇中では「20年経ってるのに、あの時のまま」と言われるが、どこがどう、というわけではないが何とはなしに似ているというか、紛れもない同一人物だという説得力があった。
リン=マニュエル・ミランダ、エミリー・モーティマー、ベン・ウィショー、ジュリー・ウォルターズ、コリン・ファース、メリル・ストリープ、アンジェラ・ランズベリーら共演陣も何れも好演だったが、驚きだったのが前作にも出演していたディック・ヴァン・ダイク。御年92歳にして華麗なるステップを披露することもさることながら、前作で演じた人物の息子役として更に老けメイクを施し(!)ソックリの風貌で登場する。
ジュリー・アンドリュースのカメオ出演は叶わなかったが、これは前作ファンにも嬉しいプレゼントだろう。
前作と違って物語上の明確な悪役がいることや、前作での歌曲を一切使っていないことでトーンの違いは感じるものの、その一方でCGに頼らず昔ながらの手描きアニメのシーンを挿入するなど、全体的にアップトゥデートを施された”最新版”といった趣き。どうやら評判も上々らしいので、シリーズ化の話もあるのだとか。