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『宇宙戦艦ヤマト2202/愛の戦士たち』第7巻

第七章の劇場公開もそろそろ終わり、またテレビシリーズの放送も間もなく最終回、というところで第7巻のお浚い。
第23話「愛の戦士たち」、第24話「ヤマト、彗星帝国を攻略せよ!」、第25話「さらば宇宙戦艦ヤマト」、そして最終話「地球よ、ヤマトは…」の4話分を収録。

「デスラーを殺せばガミラスと地球を救う」、ミルはキーマンに”選択”を突きつける。
だがそこへ現れた古代は「選んだ時点で負けだ」と自ら武器を捨て、ガトランティスに和平を申し入れる。
その行動に動揺するミル。彼はやがてズォーダーとなるべき存在だったのだ。
また記憶を失っている筈の雪が身を挺して古代を庇う姿を見て、ミル自身の心にも何かが生まれ、ガトランティスとの交渉の場が設けられそうになったその時、デスラー救出に駆け付けたガミラス兵によってミルは殺され、幽かな希望の光は消えた。

『宇宙戦艦ヤマト2202/愛の戦士たち』第7巻_e0033570_21181347.jpgキーマンはガミラスの命運をデスラーに託すと、古代と共にヤマトヘ戻る。
土方の命令一下、ヤマトは桂木透子の協力を得てコントロールを掌握すると彗星帝国の奥深くへと進み遂に玉座の間へと辿り着くが、そこに至るまでに多くの犠牲が出る。
ヤマト艦内でも徳川機関長が、アナライザーが、そして土方艦長が命を落とした。
古代と対峙したズウォーダーは自ら”人間”であることを宣言し、ゴレムを起動させてしまう。

ガトランティス人が次々と倒れて行く中で、一人立ち続けるズォーダー。
古代らはヤマトへと戻ろうとするが、「滅びの方舟」は彗星帝国そのものを飲み込もうとしていた。
それを止めるために波動掘削弾を装填したキーマン機が、斉藤の護衛を伴い敵の中枢へ突入。
しかしながら大きな代償を払ったもののその勢いは止まらず、古代は総員退艦命令を下す。
一人残った古代は、銀河による地球脱出計画の時間を稼ぐためにヤマトによる特攻を決意。
ところが艦内にはもう一人、雪の姿があった。
やがて現れたテレサの導きを受け、ヤマトはようやく彗星帝国を滅ぼすのだった。

そして半年後。
時間断層内に突如ヤマトが浮上。
艦内唯一の生き残りである山本により、古代と雪は高次元で生存していることが報告された。
ヤマトを高次元に送り込むことが出来れば二人を救出できるが、それには莫大なエネルギーがいる。
そのためには時間断層を消滅させるしかない。
地球の復興と人類の繁栄か、それとも二人の救出か、その判断は国民投票に委ねられることになる…。

ガイレーンがズォーダーの末であろうことは初登場の際に察しがついていたが、ミルがズォーダーの幼生体であることは予想外。
何せ回想シーンに登場する若かりし頃のズォーダーとミルでは似ても似つかないからだ。
これは些かアンフェア。

ガトランティスの出自に関しては、『2199』で触れた古代アケーリアス文明やジレル人、及び劇場版『星巡る方舟』での展開を踏まえて作り込まれているようだが、ドラマ性を強調するあまり屁理屈をこねくり回した挙句に歪な存在になってしまい、かえって矮小化に繋がったように思う。
哀れさを受け持つのはガミラスだけで十分だと思うのだが。
それに白色彗星→都市帝国→超巨大戦艦という段取りを無視し、彗星内部の本体を得体のしれない塊として描いてしまっているが故に、旧作にあった圧倒的に巨大な敵というイメージは最早ない。

またヤマトとの最終決戦では、シチュエーションが違っているのに台詞だけ『さらば』と同じものを当て嵌めている箇所があるので陳腐に感じられる。
シーンを変えるのであれば台詞も相応しいものに改めるべきだし、どうにも下手なパッチワークを見せられているような気がして落ち着かなかった。

『さらば宇宙戦艦ヤマト』でも『宇宙戦艦ヤマト2』でもないラスト、これは結局『さらば』以後の世界を描き、そこで強引に古代と雪を呼び戻すこと、ということだったようだ。

彼岸に居る古代と雪、そこは天国のイメージ? 
見ていて連想したのは『伝説巨神イデオン』のラストで描かれる因果地平や、『サイボーグ009/超銀河伝説』のボルテックスだったが、これは必要だったのだろうか。
『さらば』で終るなら終わる、メインキャラクターを生かしておくなら『ヤマト2』準拠、それで良くはないか。
これでは『さらば』の感動ぶち壊しの蛇足と受け止められても致し方ないのではなかろうか。

おそらくこれからもヤマトは飛び立つだろう。
リメイクを続けて行くのならば旧作に囚われず、かつ旧作を貶めず、それこそ”大いなる和”の下で繋がれるような、そんな作品を期待したい。

<過去記事>


by odin2099 | 2019-03-25 21:20 | ビデオ | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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