戦争やインフルエンザの流行で経営が傾いているメディチ・ブラザーズ・サーカスは、起死回生の一手として妊娠中のアジア象のジャンボを購入、生まれてくる小象で一儲けを企むが、生まれたのは異常に大きな耳を持つ子供で、ダンボとあだ名されてしまう。
失望した団長のマックスは、戦争中に妻を失い、また自らも戦場で片腕を失って復員してきたかつての花形スターのホルトに象の世話を任せるが、ホルトのプライドは大きく傷つけられた。そして観客に馬鹿にされるわが子ダンボを庇ったジャンボは、危険な象として売られてしまう。
ホルトの二人の子供ミリーとジョーは、ダンボが大きな耳で飛べることに気付き、密かに練習を重ねて遂にショーの中で披露。たちまちダンボは人気者になる。そこへダンボの評判を聞きつけた大物興行師ヴァンデヴァーが現れ、サーカスごと彼の経営する巨大娯楽施設ドリームランドに参加することに。
だが初めは甘い言葉をかけていたヴァンデヴァーだったが、ダンボでの金儲けに固執する余り、知らずに購入していたダンボの母ジャンボを邪魔もの扱いして殺処分しようとしたり、雇い入れたメディチ・ブラザーズ・サーカスの団員をクビにしたりとやりたい放題。はたしてダンボは母ジャンボと無事に再会できるのか?サーカスの仲間たちの運命や如何に――?
アニメ版をお浚いしたので実写リメイク版を見に行ってきました。
しかーし!これ、リメイクと言って良いのかなあ?お話、全然別モノじゃないですか。
アニメ版のダンボが空を飛ぶのは終盤だけですけど、こちらのダンボは生まれてすぐに空飛ぶし、ダンボと心を通わせる親子やダンボを食い物にする悪者など人間側のキャラクターも沢山出てくるし、サーカス団の雰囲気もまるで違いますね(その代わりにネズミやカラスは出てきません)。
そもそもアニメだからこそダンボのキャラは成立するので、これをCG多用のライブアクションに置き換えた段階で別物になってしまうのは理解できるのですが、
「ジャングル・ブック」の実写リメイク版のように動物たちを擬人化するという方法でも良かったような…。
それに監督がティム・バートンで、出演者がコリン・ファレル、マイケル・キートン、ダニー・デヴィート、エヴァ・グリーン…とくると別ジャンルの作品を期待しちゃいたいところですが、コリン・ファレルは良い人、ダニー・デヴィートも良い人、エヴァ・グリーンは悪女?と一瞬思わせておいて実は善い人、マイケル・キートンだけはちょっとエキセントリックな悪役、というのは意外性のあるキャスティングというべきか、ちょっと勿体ないというべきか……。
それでもダンボは可愛らしいし、親子や家族の絆を中心テーマに据えているのも押しつけがましくはなく、アニメ版とはまるで別モノながらも愉しめることは愉しめるので、これはこれでアリでしょう。
そういえばピンクの象、形を変えて登場してきましたねえ。