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『サイン』(2002)

『サイン』(2002)_e0033570_22200285.jpg
超常現象を題材にした作品を撮り続けているM・ナイト・シャマラン監督の最新作。

タイトルバックにバーナード・ハーマン調のテーマ曲が流れることが’50~’60年代のSFやサスペンス映画風であることを示す一つの「サイン」となっているが、B級テイスト溢れる題材を格調高く見せる手腕は今回も評価出来る。
だが万人受けした「シックス・センス」に比べ続く「アンブレイカブル」はかなり観客を限定する作品となっていたが、そのマニアックな傾向は今回益々強まっている。

ミステリー・サークルとくれば宇宙人、そう連想する人は決して少数派ではないだろう。
ただそのB級っぽさに惹かれて見に行くと、今度はフラストレーションがたまるに違いない。
『サイン』(2002)_e0033570_22201291.jpgそもそもミステリー・サークルを前面に押し出した宣伝展開からして観客はそれに対する何らかの答えを求めて劇場へ足を運ぶはずだが、それ自体は一つのきっかけ(=「サイン」)に過ぎず物語はどんどん違った方向へと流れて行く。

物語の趣旨としては「偶然に起こることは何もなく、全ては何らかの「サイン」なのだ」ということが言いたいわけで、そのきっかけ(=「サイン」)がミステリー・サークルである必然性は皆無。
結局は「神を捨てた男が再び神と出会う」という新手の宗教映画として完結するのだ。

ある意味では観客の予想を裏切る見事なストーリー・テラーぶりと言えなくもないのだが、納得出来るものではない。

以上、「しねま宝島」から転載。

友好的な出会いになるか、それとも侵略者との攻防を描いたものになるかは兎も角として、何らかの知的好奇心を満たしてくれるファースト・コンタクト物になっているだろうと期待して足を運んだものの、なんだか狐につままれたような気分で劇場を後にしたのを覚えている。

『サイン』(2002)_e0033570_22202467.jpg最終的には宇宙人はバッチリと姿を見せてはくれるのだが、どうやら友好的存在では到底あり得ず、ただの侵略者ではなくどうやら地球人を捕食しているのでは?との推測が語られるのみで、結局彼らが何者で、どこから来て何を目的にしていたのかはわからず仕舞い。
作品全体がコケ脅かしとハッタリで成り立っているのだから、宇宙人に関しても大法螺吹いても良かったのでは、と今でも思う。

妻を事故で失い信仰を無くした元牧師のメル・ギブソンと、その子供(ローリー・カルキンとアビゲイル・ブレスリンの兄妹)、それにメルの弟ホアキン・フェニックスが同居しているという四人家族が主人公なのだが、この一家の子供たちには不思議な能力があるのか、それとも精神的に不安定なだけなのか、それに家族間で何やら隠し事があるのか、となかなか感情移入しづらい。
それもこれも皆どうやら思わせぶりなだけ、で片付いてしまうのもどうにもフラストレーションが溜まってしまう。
久しぶりに見直してはみたものの、違った意味で色々と考えさせられる作品だった。



by odin2099 | 2019-04-10 22:27 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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