『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』(1979)
2006年 02月 22日
なんせ、あのミラノ座の大スクリーンにウルトラマンが映し出されたのだから、これは凄いことである(都内近郊じゃない人、ゴメンナサイ)。ペーソス溢れるヒューマン・ドラマあり、ギャグ編あり、ファンタジー調あり、正統派の侵略モノあり、とバラエティーに富んでいるのが特徴。
さて、作品について言いたいことは概ねサイトの方に書いてある(追記:下記に転載)ので、今回見直していて気になった点をいくつか。
その1)
科学特捜隊パリ本部から来たアラン隊員は、ジャミラの姿を一目見たときからその正体に気付くんだけど、ということは人間だった時から彼はあんな顔だったのか?(一応ジャミラらしき人物の写真も写るけど、似ても似つかないんだな、これが)
ちなみにジャミラの墓碑銘には「1960-1993」と書かれている。ということはジャミラは33歳? 何年もかかって地球へ戻ってきたと言ってたけど、相当若い宇宙飛行士だったんだろうなぁ・・・という以前に、『ウルトラマン』の時代設定は1993年だったのか?! 放映時より20数年先の未来ということだ。ふ~ん。
ちなみに『ウルトラセブン』は1987年という設定があるらしい。
こちらは放映時より20年先の未来で、まぁ妥当なところでしょう。現実は追いつけなかったけどね。
その2)
スカイドンを退治するため、ウルトラマンに変身しようとするハヤタ。ふと見るとその手にはベーター・カプセルではなく、カレーを食べていた時のスプーンが・・・!という有名なギャグ・シーン。
しかしその前にシーンでハヤタが飛び出すとき、スプーンはしっかり置いていってるんだよね。ではあのスプーンはどっから?
他にも色々ツッコミどころはあるでしょうけれど、とりあえずはこんなところで。
* * * * *
「しねま宝島」より転載
1977年~78年頃からジワジワと盛り上がってきた、俗に<第三次>とよばれるウルトラブーム。これが僅か二年足らずで衰退してしまった原因の一つには、この作品の存在があったのではないか・・・そんな想いにとらわれている。
といってもこの作品自体に非が在るという意味ではない。この作品が公開された、という事実そのものに理由がありそうなのである。
例えば・・・何故ブームにのっかって公開された「ウルトラ映画」の第一弾がこの作品だったのだろうか。
続いて製作された『ウルトラマン/怪獣大決戦』はバルタン星人やレッドキングといった人気怪獣の登場するエピソードで構成されているが、何故さして凄い怪獣が出るわけでもない、ウルトラマンも殆ど活躍しない、いわば反主流派のエピソードをセレクトしたこの『実相寺ウルトラマン』が先だったのだろうか。
この作品のエピソードは、何れもはっきり言って子供受けするお話揃いとは言い難く、何らかのインパクトを受ける子供たちより、退屈する子供の方が多いのではないだろうか。
それでも公開されたという事実は、ズバリ、対象が幼児ではなく、それを望むヤングアダルト層だった、ということであろう。
ウルトラを支える基盤である児童を、敢えて対象から外してるということは、つまりは単なるノスタルジック、新しいものを産み出し継続していこうという姿勢が製作者側にみられず、また現役の観客(=児童)もそれを望んではいない、ということにもなる。
ようするに、かつて子供だった大人の一部がそれを懐かしみ、それを理解できなかった大人が無理矢理自分たちの子供にそれを押しつけた幻のブームだったといえるのではないか
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ウルトラの戦士が、また一人鬼籍に・・・。
もっと子ども番組を手掛けて欲しかったと思います。
ご冥福をお祈りします。
自分も昔ビデオ(他に「ウルトラマンZOFFY」「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」「ウルトラマン・怪獣大決戦」「長篇怪獣映画・ウルトラマン」を見ました)で見ましたが、ささきいさおさん歌唱の主題歌(バックに映る科特隊本部とビートルの図面も印象深いです)や前述した主題歌をBGMに戦う初代マンとテレスドンのシーンが好きでした。
また、シーボーズ戦では「ディスコ・ウルトラマン」なる曲が流れますが、ディスコ調のウルトラソングには「サタデー・ナイト・フィーバー」やディスコブームが起因すると思います。
海外では『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』、『スーパーマン』のテーマなどがディスコ・アレンジされ、我が国でも『宇宙戦艦ヤマト』や『ルパン三世』等がディスコ・アレンジされています。
結局はブームに便乗しただけのレコード発売に終り、実際にディスコシーンで使われたり、各メディアで話題になったりということもなかったように記憶しています。
一方で「交響詩ウルトラマン」も作られ、同じように劇中に挿入されていますが、こちらは「交響組曲宇宙戦艦ヤマト」のヒットに始まる、アニメ音楽のシンフォニー化の流れに乗ったものでしょうね。
独立した楽曲としてはいざ知らず、作品中では何れも活かされていたとはとても言えないのが残念ですが。