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「ロード・オブ・ザ・リング シンフォニー」

東京国際フォーラムでのコンサートへ出掛けた。8月にやったコンサートの再演。

行って驚いたのは「2階のB、C席のチケットをお持ちの方はこちらへ」と入場前に呼止められ、何事かと思っていると「1階席がご用意できましたので」とチケットを取りかえられちゃったこと。
こちらは2階のB席、真ん中最後尾を持っていたのが、何と1階席真ん中の後ろの方、S席へとグレードアップ。
あまりの客入りの悪さに主催者側が慌てたんだろうな。

どうやら2階席は完全に閉鎖してしまったようだったが、それでも1階席はガラガラと言っても差し支えないだろう。
普通のコンサート会場ならかなり埋まる人数だろうが、何せキャパがでか過ぎる。他の回の公演がどうだったのかも非常に気になる。
演奏内容はサイトの方で後刻改めて。
ただ、手放しで褒められたものではなかったことだけは一言添えておく。

それにしても何で演奏会当日にTVで『二つの塔』を放送するんだろう(フジテレビ系「プレミアムステージ」)。
これじゃ夜の回に参加したファンは見られないじゃないか。
まぁ前回はフジテレビ主催だったが今回はテレビ朝日。ライバル潰しか?

   ×  ×  ×  ×

下記「ボクのわたしの 見て歩る記」より転載
ジョン・マウチェリーの指揮の下、ソロヴォーカルにノルウェーの歌姫シセル迎え、インターナショナルLOTRオーケストラの演奏で8月末に行われた『ロード・オブ・ザ・リング ザ・コンサート~オーケストラ、コーラス、ソリストによる交響曲6楽章~』の再演です。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の音楽はかなりのお気に入りでして、その為に作られた音楽の中から、作曲したハワード・ショアが直接選曲して夫々の作品を二楽章ずつ、計六楽章形式で編んだ交響曲となれば興味が湧かないわけがありません。前回は平日のみ(しかも月末!)の公演だったので行きたくても行かれませんでしたが、今回は土日、しかもショア自身が来日して直接指揮するとあって喜んで出掛けてきました。
オーケストラと混成合唱団、少年合唱団合せて200名以上がステージに立つ姿は正に圧巻。そして第一部(第一楽章と第二楽章)、第二部(第三楽章から第六楽章まで)それぞれが一時間程度で、間に休憩を挟んでトータル三時間弱と、かなりハイ・ボリュームの演奏会となりました。

さてこの交響曲版、映画が大好きで繰り返し繰り返し見たという人は、演奏を聴きながら夫々のシーンを思い浮かべて涙する、ということもあるでしょう。
しかし普通に映画を楽しみました程度の人、クラシックなどの演奏会に不慣れな人には些か辛い構成かと思います。元々ショアのメロディーは、誰もが口ずさめるような強烈な個性には乏しく、どちらかというと観客を作品世界に埋没させる手助けをしてくれるような存在でしょう。そうなると細切れに流れてくる色々なテーマ(メロディー)の断片、音楽的色合いの違いは楽しめるかもしれませんが、それが直接具体的な映画のシーンを思い起こさせてくれるかというと、なかなか難しいのではないかと思います。つまり、ただボーっと聴いているだけ→眠気を誘う、という状態になります。
僕のようにある程度サントラ盤を聴き込んでいる人間にとっては、各楽章の副題(基本的にメロディーを引用した箇所のあるサントラの曲名になっています)を見るだけで「ああ、あの曲か」という判断は付きますが、一般のファンではそこまでいかないでしょうし。
では独立した音楽作品として楽しめるのかというと、前述したように強烈なインパクトには欠けるために広くアピールするまでには至りそうもありません。あくまでもサントラのダイジェスト、映画版を追体験するためのツールでしかないのです。またサントラ・マニアの立場からしても、交響曲としての独自性を出すために改変されたスコアには違和感を覚えることは必至です(テンポやタイミングの違い、演奏者の解釈の違いなどなど、結構気になるものなんです、これが)。となると、残念ながらかなりコアなファン限定のイベントとしてしか成立し得ないのが今回のコンサートなのかなぁ、とちょっと寂しい気持ちにもなります。勿論そんな難しいことは考えずに、素直に楽しんじゃったよ、という人の方が大多数だとは思いますが(というか、そう願います)。

そして演奏。前回夏の公演の時はオーケストラについての酷評が目立ちましたが、色々覗いてみると今回は比較的好意的意見が多いみたいです。しかし僕には、音響面では決して褒められた会場ではないことを差し引いても、かなり厳しいものに感じられました(特に前半)。これで「良かった」と言うことは、前回はどれほど酷かったのでしょうか。前回参加された観客の方に同情してしまいそうです。
コーラスもまた然りでして、特にソリストを含めた少年合唱団には終始ハラハラさせられっぱなしでした。小学生に多くを求めるのは酷だとはわかってはいるのですが、これは学芸会ではないのです。決して安いとは言えない料金を取るコンサートなのですから。

ということで、期待していたのに全体的にはかなり寒いコンサートになってしまいました。
寒いといえば観客席もガラガラ。前回はこのキャパ5000人という会場が満席になったそうですが、今回はどれくらいいたんでしょうか。何せ二階席の中央最後尾、B席のチケットを持っていた僕らが入場前の受付けで呼び止められ、その場で一階席の真ん中後方のS席チケットへ差替えられたくらいです(こんなことならC席買っておけば良かったです。そうなれば半額だったのに・・・!)。二階席は全面的に閉鎖していたみたいですが、それでも一階席は2/3埋まっていたかどうかという有様。せっかく来日してくれたショア氏が気の毒になってしまいました。もう二度と来日してはくれないかもしれませんね。最後には取って付けたようなスタンディング・オベレーションもありましたが(前のほうからバラバラと立ちあがったが中央辺りでストップ。僕らは立ちませんでした)、気を悪くしていないことを祈ります。気を悪くといえば、マナーの悪い観客も目立ちましたね。演奏会慣れしていないのかもしれませんが、演奏中に私語するとは言語道断。非常識も甚だしいです。それに一部二部通してずーっと咳き込んでいる人。貴方が苦しいのはわかりますが、廻りの人が迷惑です。

ところで前回は主催者にフジテレビの名前があったのですが、今回はテレビ朝日になっています。そのせいなんでしょうかね、演奏会夜の部にぶつけるように『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の地上派初のオンエアーを持ってきたのは。前後どちらかの週にずらせば相乗効果も望めたかもしれませんが、これでは厭味以外の何物でもありません。

by odin2099 | 2004-12-11 22:58 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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