グスタフ・クリムトとエゴン・シーレ、世紀末ウィーンを代表する二人の画家は、昨年が共に没後100年にあたる。
それを記念して作られたドキュメンタリー映画で、この二人とその作品群の紹介だけではなく、19世紀末から20世紀にかけてのウィーン、二人を取り巻く時代の空気といったものをも掬い取ろうとした一篇。
そのためマーラーやシェーンベルグのような作曲家や高名な精神科医であるフロイトなど、同時代のウィーン文化の担い手たちも登場する。
実のところクリムトの絵もシーレの絵も好きではないのだが、優れた才能が集ったこの時代のウィーンには大いに興味あり。
1時間半強の作品だが、日本語ナレーションというか吹替全体の単調さもあって(頼むから本職を使おうよ)何度か睡魔に襲われたが、クリムトもシーレも苦手と言ってる割に十二分に堪能した。