インディーズで人気の女性デュオ<ハルレオ>、しかし今彼女たちの解散ライブツアーが始まる。
そのツアー初日から二人は険悪なムードだが、ステージに立てば抜群のハーモニーを見せる。
そしてまた次の街へと移動するが、車内でも楽屋でも二人は殆ど言葉を交わさない。
そのツアーの最中に、少しずつ明かされていくハルとレオが音楽を始める切っ掛け、マネージャー兼ローディのシマとの出会い、すれ違っていく三人三様の想い。
そして最後のステージが終わった後、三人が辿り着いた結末とは…。
小松菜奈がレオ、門脇麦がハル、そして成田凌がシマを演じたロードムービーで、実際のライブツアーのドキュメンタリーを見ているかのようなリアリティがある。
ハルはレオが好き、レオはシマが好き、シマはハルが好き、という三角関係のお話ではあるのだが、互いに互いの気持ちがわかっていて、それで相手を傷つけたくなくて、それでも思うようにならないもどかしさにイライラが募っていく様が丁寧に描かれていく。
最後は再三繰り返される「ツアーが終わったら三人は赤の他人同士だ」という言葉とは裏腹に、結局のところ三人はつかず離れずの関係を続けていくのだろうな、と匂わせて終わる。
互いに自分を曝け出しある意味で大爆発した後は、音楽を続けていくかどうかは兎も角として、案外ピュアな良い関係に戻れるのではないかなという気もする。
もっともノベライズを拾い読みすると、そちらでは<ハルレオ>再結成を選択して終わっているようだが、その結末も悪くはないだろう。
ところでこの作品、二人のヒロインが演奏中以外はほぼ煙草を手放さないのには閉口した。
見ているだけでこちらが気持ち悪くなってくる。