つい先日見直したような気になっていたんですが、気が付くと10年前?!
どっかでタイムワープしたかな?

っつーわけで(どういうわけ?)「帝都物語」です。
始まってすぐ、何が何やらわからんうちに「加藤が来るぞー!」と大騒ぎ。
のっけから怒涛の展開です。
そして誰が誰やらわからない、虚実取り混ぜての人物の洪水。
渋沢栄一、寺田寅彦、今和次郎、泉鏡花、早川徳次、森鴎外、織田完之、西村真琴、幸田露伴あたりは近現代史を勉強し、その為人を知ってる方がより愉しめるんでしょうか。
それとも「あの人がそんなことするわけないじゃん」と呆れるんでしょうか。
時代の移り変わりが早いのも混乱に拍車をかけてますね。
実際は映画の冒頭からラストまでで概ね20年の歳月が流れます。
ただ特に女性の場合は老けメイクを施したりしてませんので、時間の経過はわかりづらくなってます。
辰宮洋一郎などは終盤では白髪を蓄えてますが、泉鏡花は全く変わらないですしねえ。

また一見「アクション映画」風の宣伝がされてますけど、「加藤と戦う」言ってる割に登場人物にアクション向きの人物がいないので、基本ロクな戦いをしません。
せいぜい辰宮恵子と加藤が念を飛ばしあってる程度。
派手な格闘シーンはいりませんが、もう少し舞踊のような形で「魅せる殺陣」が欲しかったです。
とはいうものの、やはり力の入った超大作。見応えは十分です。
現在のテクノロジーでリメイクしても面白いかなと思うのですが、表面だけなぞった薄っぺらい作品になってしまうでしょうかね。
ところで最初に見た時は辰宮雪子と母・由佳理、それに伯父である洋一郎の関係がよくわからず混乱していたのですが、今じゃ兄妹相姦ってフィクションの世界じゃ珍しくもなんともありませんね。
そして加藤が由佳理に<偃王の魔術>を施すシーン、直接的な描写は抑えめですが、演じている嶋田久作と姿晴香の表情はなかなかヤバいものがあります。
まあ実際に凌辱するシーンを入れてしまったら、一般映画としての公開は難しかったろうと思いますが。
【ひとりごと】
劇中で加藤保憲は自らを「安倍晴明の末裔」と称していたようですが、敵対する平井保昌も土御門家一門の総帥。
土御門家も遡れば晴明に連なるわけで、実はこの物語、本家と分家の争いだった?
<過去記事>