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『陰陽師II』

安倍晴明に野村萬斎、源博雅に伊藤英明のコンビで贈る夢枕獏の小説「陰陽師」シリーズ映画化第2弾で、今度は劇場用のオリジナルストーリー。

『陰陽師II』_e0033570_18341042.jpgアマテラスにスサノオ、ヤマタノオロチ、そして滅ぼされた出雲族の末裔…とこれまでの小説版とはまるで違うスケールの大きな物語で、前作の時には個人的に違和感のあった野村萬斎の晴明にもすっかり慣れ(伊藤英明の博雅と今井絵理子の蜜虫には一向に馴染めないが)、映画ならではの大仕掛けは愉しいものの、もはや別物という気がしないでもない。

ゲストヒロインは深田恭子。彼女を見ていると、この作品が16年も前の作品であることを暫し忘れる瞬間がある。
撮影時の彼女は20歳ぐらいだと思うが、今仮に追加で撮影をしこの作品の中にはめ込んだとしても、殆ど違和感はないだろうというくらい変わらない。
晴明が術を施す際に、上半身だけ着物を脱いだ状態での後ろ姿(これは本人ではなく吹替か?)や、首から上のアップショットで艶っぽい表情を見せている。

そして今回のラスボス幻角を演じるのは中井貴一。前作が真田広之だったので、これは妥当なところだろう(次があるなら佐藤浩市だろうと思ったが、更なる続編は実現しなかった)。

結果的に一度は晴明を死に至らしめたほどの強敵ではあるが、その動機に悲劇性があることや、本人が直接手を下すというより我が子をスサノオの依代として利用して行っていること、そして最後には改心して自らの命と引き換えに(という解釈になるのだろう)晴明を復活させるという行為から、前作ほど怨敵という迫力は感じず、些か拍子抜けではあるものの力演。
大人向けのファンタジー作品、出来ればあともう何本か見たかったものである。

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by odin2099 | 2019-08-06 18:42 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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