もうすぐ最終回を迎える「仮面ライダージオウ」、その”本当の最終回”とやらの先行お披露目となった夏の劇場版。
最近の「仮面ライダー」は終わる終わる詐欺で、テレビ放送終了と夏の劇場版公開が同じようなタイミングなので、どっちが真のエンディングなのかよくわからないし(パラレル設定というほど別モノではないらしい)、年末には”その後”を描いた「MOVIE大戦」枠での映画があるし、その後にも劇場でのイベント上映を兼ねたVシネの新作が作られるので、門外漢は付いて行けない。
今回は「仮面ライダードライブ」の生みの親クリム・スタインベルトと、仮面ライダーマッハこと詩島剛がゲスト出演。
16世紀に飛んで織田信長と出会ったり(平成ライダーで信長出るの2回目か?他にも歴史上の人物って結構出てる気がする)、クライマックスバトルでは平成ライダー勢揃いに加え、令和初のライダーとなる次回作「仮面ライダー01」の主人公ゼロワンの初お披露目といった見せ場が用意されてはいるものの、流石に何が何やら、といった感じ。
メタフィクション要素が強いのも、見ていてちょっとキツかったかな。フィクション世界に遊ばせてもらえず、いきなり現実に引き戻されるので。
で、クウガからビルドまでの歴代平成ライダーのゲスト出演はシリーズの総決算としてのお約束なんだろうけど、実はオリキャスが声を当ててないので「仮面ライダー(スカイライダー)」や「仮面ライダースーパー1」、あるいは「仮面ライダーBLACK RX」期のような偽ライダー臭が強いのであまり頂けない。
しかし番組の主役を張った歴代ライダーたちはまだ良いとしても、SMAP特番で稲垣吾郎が演じていた
仮面ライダーGや、公演ポスターから抜け出してきた舞台版の仮面ライダー斬月、殆どお遊び企画のような
仮面戦隊ゴライダーに、「ヒーローズコミックス」で連載中の漫画版「仮面ライダークウガ」のクウガが紙面から(!)飛び出してきたのには更に唖然としたし、ちょっと許せないなと思ったのは、仮面ライダージオウこと常磐ソウゴ を励ます役として
木梨猛が出て来たこと。
「仮面ノリダー」(流石に劇中でノリダーの名称は使わないし変身もしないが)の扱いを巡っては当時ひと悶着あったのではなかったか。そうでないとしても、コメディ映画でもパロディ映画でもない作品で扱って良い存在ではないと思うのだが。
それに結構重要と思われるポジションのキャラクターに素人を配するというのも、観客舐めてるのかな、とちょっと悲しくなってくる。
時代は平成から令和へと移り変わり<平成ライダー>の総決算を謳った一篇ではあるものの、おそらく<令和ライダー>もこれまでとはさほど変わらないノリで作られていくのだろう。
そろそろ一度<仮面ライダー>も打ち止めにし、しばしの休みの間に徹底的に見直すべきではなかろうか。
【ひとりごと】
ゴライダーやGを出すくらいなら、「仮面ライダーアマゾンズ」の面々や「仮面ライダー/THE FIRST」や「NEXT」の1号、2号、V3、あるいは仮面ライダー3号や4号を出せば良いのにと思ったのだが、こいつらは昭和ライダーのヴァリエーションという認識なのだろうか。