
科学者だった父が突然行方不明になってから4年。残された母や弟のチャールズと暮らすメグは周囲に馴染めず、学校でも問題児扱いされていた。
ある日ミセス・ワッツイットと名乗る不思議な女性が訪ねてき、チャールズは彼女を友人と紹介する。ワッツイットは、メグたちの父は研究中に五次元の世界へと消えたと告げるのだった。
翌日、チャールズに導かれ再びワッツイットたちと会ったメグは、一緒にいた同級生のカルヴィンと共に父を探す冒険の旅へ出ることを決意する。
マデレイン・レングルの児童小説「五次元世界のぼうけん」をディズニーが豪華スタッフとキャストで実写映画化した作品で、脚本は現在ジョン・ラセターの後任としてディズニー・アニメーション・スタジオのトップに就任しているジェニファー・リー、監督はアカデミー賞ノミネーターのエヴァ・デュヴァネイ、出演はオプラ・ウィンフリー、 リース・ウィザースプーン、ミンディ・カリング、ストーム・リード、ザック・ガリフィアナキス、そしてクリス・パインといった面々。
豪華スタッフとキャストによる映画化という触れ込みは間違いじゃないし、画面もキレイではあるもののお話はちっとも面白くない。
五次元世界を経由すれば、例えば地球と宇宙の彼方を宇宙船やロケットなしでワープが出来る、という説明があるのでSF映画っぽく始まるのだけれども、ここでいう移動手段(ワープ)はどちらかというと魔法の範疇に入りそうだし(そもそもメグたちを手助けするミセス・ワッツイットやミセス・フーらも、光の女神というか妖精や魔女のように描写されている)、旅立った先は多分にスピリチュアルな要素を有しているようで、浅い哲学問答のようなものも用意されている。
主人公であるメグが徹底的にお荷物扱いされていて、彼女の成長が大きな鍵になるであろうことは示唆されてはいるものの、「だから何?」というレベルで拍子抜け。
メガネをかけたブサイクな主人公が、最後には光り輝く美少女に変身するのかな?と思いきや、それもナシ。
お父さんは戻ってきたし、イケメンのボーイフレンドは出来たし、いじめっ子の少女とも和解の兆しが見えるラストはハッピーエンドには違いないんだろうけれど。
あちらでは昨年春に公開され一度は日本公開もアナウンスされていたようだけれども、結局一年経ってのDVDスルー(Blu-rayは未発売)。まあそれも仕方ないかなあ、日本ではヒットしそうなポイントが見当たらないし。