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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『アートのお値段』(2018)

アートとお金の問題を真正面から取り上げたドキュメンタリー映画で、多くのアーティスト、オークショニア、コンサルタント、批評家、キュレーター、コレクター、ギャラリストたちがインタビューに答えている。

e0033570_09173066.jpgどんな高値で取引されても、それはモチベーションにはならない。美術館で展示される方が良い、というアーティスト。
良い作品とは高値であるべきだ、美術館はまるで墓場のようだ、というオークショニア。
アートの商品化を憂える批評家。
オークションは投資目的の資産売買の場になっている、とこれからの市場に不安を感じるギャラリスト。
値段を知っていても価値を知る人は少ないというコレクター。
今がバブル期で、これからも勢いは続くと見るキュレーター。

結局オークションでどれだけ高値が付こうが、アーティストには一銭も入ってこないのだし、個人が所有することで不特定多数の目に触れる機会は失われる。
不動産同様の投機目的で購入する、作品の価値を知らない者も多く、彼らの目的は安く買って高く売ること。
美術館が所有していても展示されるのは一握りの作品で、その多くは眠ったまま。だがその一方で50年後、100年後、150年後に再び日の目を見ることがあるかもしれない。

――現代アートにはとんと疎いもので登場しているのは著名であろう人たちだが、その彼ら彼女らが立場の違いから様々な意見を様々な意見を寄せ、そして映画としての結論めいたものを提示しなかったのは面白い。色々と考えさせられる作品だった。



by odin2099 | 2019-08-22 09:19 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2019-08-25 11:53
タイトル : 『アートのお値段』ユーロスペース1
◆『アートのお値段』ユーロスペース1 ▲画像は後から。 五つ星評価で【★★幾つか意見があるが、まとめる事はせず羅列するだけという手法。そういうドキュメンタリーはあまり好かない】 大雑把に羅列するとこんなかな。 ・「作品の価値と売価は別」アーティスト ・「作品の魅力と稀少性により値段は高騰する。現代美術の良い所は概ね作者が生きているので、ある程度、作品の評価が高騰した後でも新しい作品をアーテ...... more
Commented by ふじき78 at 2019-08-25 11:52 x
> 結局オークションでどれだけ高値が付こうが、アーティストには一銭も入ってこないのだし、

ただ評価基準があがると言うのはあるでしょう。なんか「紅白」に出たら他の番組でもギャラアップみたいな話ですけど。
Commented by odin2099 at 2019-08-26 19:39
> ふじき78さん

生前に売れっ子になるならいいけどね。
多くのアーティストは、その死後に価値を認められたり、価値が高まっていく傾向があるから。
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