フランス人とカナック(ニューカレドニア人)のハーフである少女ディリリは、たった一人で船に密航しパリへとやって来た。
博覧会へ出演中に配達人の青年オレルと知り合いになり、彼によってパリに住む多くの有名人と知り合いになる。
その頃の街の話題は、少女を次々と誘拐していく<男性支配団>と名乗る謎の集団のこと。そしてディリリもまた彼らのターゲットにされてしまう。
持ち前の好奇心と行動力で遂にディリリとオレルは<男性支配団>の一味を捕まえることに成功するが、今度はディリリが誘拐されてしまう。
予告編を見た時から気になっていた作品です。
ベル・エポック時代のパリを舞台にした少女の冒険物語…と呼んでも良いでしょうか。
もっと長閑なお話なのかなと思いきや、意外にもハラハラドキドキの大活劇で、ミステリー物というか探偵小説的な愉しみも出来ます。
そして作品に登場し、ディリリと知り合う数多くの人々。
エマ・カルヴェ、サラ・ベルナール、オスカー・ワイルド、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、クロード・モネ、パブロ・ピカソ、エドモン・ロスタン、マリ・キュリー、クロード・ドビュッシー、マルセル・プルースト、モーリス・メーテルリンク、ギュスターヴ・エッフェル、ガブリエル・フォーレ、オーギュスト・ロダン、カミーユ・クローデル、エドワード7世、モーリス・ラヴェル、アンリ・マティス、ルイ・パスツール、アンリ・ルソー、ピエールーオーギュスト・ルノワール、アメデオ・モディリアーニ…と枚挙に暇がありません。
実のところ物語に大きく絡んでくるのはこの内の数人だけだし、また大半がオレルの知り合いで、しかも同時期にパリに滞在していたというのは出来過ぎですが、それを言うのはヤボというもの。
実際のパリの写真を背景に使うなど、アニメーションの作り方もユニークで、美しい色彩、美しい音楽に囲まれたひと時の極上体験を是非にも。