彼と別れて半年。
ようやく傷心も癒えてきた詩織だったが、何故か毎晩のように謎の男に抱かれる夢を見、その夢に陶酔するようになっていた。
だがある夜、謎の男は突如怪物と化して襲い掛かり、やがて昼夜を問わず彼女をレイプするようになる。
これは現実なのか、それとも彼女の妄想なのか、その狭間で恐怖に慄く詩織だったが、その一方で自ら身体を開いて行くようになる…。
とある映画のオーディションの際に、霊的な存在との性的体験があることを複数の女性タレントが告白したことに着想を得た作品で、<第6回夏のホラー秘宝まつり2019>で上映された一本。
出演は松川千紘、古谷蓮、辻凪子、武田一馬、宇田川さや香、脚本・監督は佐藤周。
なお松川千紘は今回の<ホラー秘宝まつり>のイメージガールも務めている。
霊にレイプされるというと実話ベースの
『エンティティー/霊体』を思い出すが、監督もその存在は意識したそうで、あちらとの差別化でこちらには”依存症”というテーマを持ち込んだとのこと。
霊との性体験を告白したタレントによれば、霊とのセックスは快感だったという。
そこで『エンティティー』は一方的に霊が主人公を襲うが、こちらの作品では詩織は恐怖に怯え拒絶しながらも、その一方で”それ”を待ち望んでいるという形になっている。
タイトルが「詩織の淫夢」となっているのも、それが理由だろう。
予算の都合上か”霊”はずっと見えない存在ではなく、時に人の姿を取り、時に得体のしれない怪物の姿で現れるが、絡む相手がいない一人芝居のシーンも含め松川千紘が”霊”とのセックスシーンを熱演。
筋肉痛になったとは本人のコメントだが、無理な姿勢や動きを要求されたのだから然もありなん。
公開前の舞台挨拶及び上映終了後のロビーで本人を直接見たが、劇中で見るよりは実物の方が可愛らしく感じられた。
舞台挨拶と言えば更にそれに先駆けて「ホラー秘宝まつり」の開幕式が行われ、新作邦画5作品の監督・キャストが登壇し、ホラー総選挙に向けてそれぞれの作品を猛アピール。
登壇者は
『VAMP』の小中和哉監督、中丸シオン、高橋真悠、『シオリノインム』の佐藤周監督、松川千紘、古谷蓮、辻凪子、武田一馬、
『残念なアイドルはゾンビメイクがよく似合う』の森川圭監督、森田亜紀、酒井健太郎、藤井奈々、階戸瑠李、
『星に願いを』の佐々木勝己監督、正田貴美佳、畠山勇樹、尾関俊和、
『怪談新耳袋Gメン/孤島編』の谷口恒平監督、後藤剛、木原浩勝、山口幸彦の面々。
『VAMP』の高橋真悠も映画で見るより本人の方が可愛いタイプ。
中丸シオンは芸能人オーラというか、貫録があった。
他作品で気になったのは藤井奈々と階戸瑠李。
藤井奈々は二年ほど前に芸能界を引退。
この作品は引退前に撮影したものとのことなので難産だったのだなあ。
階戸瑠李は最近ヌードの写真集を発売したりと各方面で活躍が目立ち、気になってるヒト。
笑顔は可愛いけれど、時折見せる妖艶な表情に”女優”だなあと感じさせられた。