今度はたまたま英国王室の一員ホームズ卿をIRAのテロリストから救ったばかりに、そのメンバーから逆恨みされるというお話で、世界の危機から個人的な危機へとスケールの落差が実に激しい。

ジャック・ライアン役がアレック・ボールドウィンからハリソン・フォードに交代し、前作から続投しているのはライアンの上司役のジェームズ・アール・ジョーンズのみ。しかも前作のライアンの活躍について言及されるシーンもないので、シリーズ物だと気付いてない人もいそうだ。
クライマックスも大掛りな潜水艦の戦闘シーンを描いた前作と違い、ライアンとテロリストの一対一の対決。
弟をライアンに殺され個人的な復讐に燃えるテロリストにはもはやIRAという組織は眼中になく、一方のライアンも家族を守るためとはいえCIAを私的に利用するという、二人共に組織に所属しながら組織をはみ出しての対決となるのである。
トム・クランシーの原作だけにハイテクが見せ場になっているが、凄いなと感心したのは衛星からの画像だけで様々な展開を見せていく件。
例えばテロリストが潜伏していそうな地域の衛星写真を拡大していくと、そこに写っていたのは女テロリスト役ポリー・ウォーカーのおっぱい。これだけで彼女が探している手掛かりだと判断しちゃうライアンは凄い。
そして結果的に米軍はこれを決め手として特殊部隊をこの地域に送り込むのだが、そのシーンも衛星からのサーモグラフィーのライヴ映像のみで表現。これだけ現実感のないアクションシーン、そして人の生き死にというのはこれまでになかった表現手段かもしれない。
ライアンの妻にアン・アーチャー、IRA側の人物としてショーン・ビーン、パトリック・バーギン、リチャード・ハリス、ライアンの友人としてサミュエル・L・ジャクソン、ホームズ卿にジェームズ・フォックスらが出演。
ショーン・ビーンやサミュエル・ジャクソンはまだブレイク前だが、早くもハリソン・フォードは食われ気味…。
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