『ゴーゴー仮面ライダー』(1971)
2006年 02月 26日

作品の詳細はサイト内の「しねま宝島」へ。
× × × ×
ショッカーは再生怪人軍団を使って原子力研究所を襲ったが、研究所を守るバーリヤの前に頓挫。
そこでプロ・サッカー選手の野本健を怪人トカゲロンに改造して、バーリヤ破壊ボールを使って再度の襲撃を計画する。
それを阻止せんと立ちはだかる仮面ライダーだったが、トカゲロンの必殺シュートの前に一敗地に塗れ、猛特訓の末に新必殺技”電光ライダーキック”を編み出してショッカーの野望を粉砕するのだった。1971年夏の<東映まんがまつり>で上映された劇場版『仮面ライダー』の記念すべき一本目。
といっても新作ではなく、所謂<旧1号ライダー編>の最終話となるTVシリーズ第13話「トカゲロンと怪人大軍団」を劇場用にブローアップしたもの。
TV放映から一ヶ月足らずでの劇場公開だったが、タイトルを『ゴーゴー仮面ライダー』に改めたオープニングを新規に作り、サブタイトルと中CM前後のアイキャッチはカット。
更にはフィルムの上下を切ってワイド・サイズに変更するなど、劇場用としてのお色直しも施されている。
復活した怪人軍団に立ち向かう仮面ライダーという物語構成は、以後の劇場用新作の基本パターンとなるなど娯楽的要素も満載。
そのせいか、メイン・プログラムの『アリババと40匹の盗賊』や他の併映作品を差し置いて、当時の子供たちからの反響はナンバー・ワンだったようだ。初期『仮面ライダー』は低視聴率に苦しめられ、しかも主役が撮影中の事故で出演続行が不可能という緊急事態だったが、ガラっとムードの変った<2号ライダー編>もスタートしたことで徐々に子供たちにも浸透し始めていた時期の公開だったことを考えると、これが後の空前のライダー・ブームを引き起こした切っ掛けの一つだったのかもしれない。
なお周知の通り、負傷によって降板を余儀なくされた藤岡弘は本作には出演していない。
そこでそれ以前に撮影されたフィルムから幾つかのシーンを抜き出し、さらに本郷猛の出番を変身後の仮面ライダーに振替えることで不在を補っている(セリフは全て納谷六朗の吹き替え)。
また、ゲスト・キャラクターのトカゲロンこと野本健に扮するのは、東映ヒーロー番組の悪役としては御馴染みの堀田真三である。