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『フリーソロ』(2018)

『フリーソロ』(2018)_e0033570_19334783.jpg「フリーソロ」というのは、ロープや安全装置を使うことなく、体一つで数百メートルの断崖絶壁をよじ登るシンプルな方法。
もちろん一歩間違えば死に直結するという危険度MAXなものだ。

これはそんな危険に挑んだアレックス・オノルドに密着したドキュメンタリー映画で、今回の彼のターゲットはヨセミテ国立公園にあるエル・キャピタン、約975メートルのルート。
まずは2016年春、現地でのトレーニングを開始。ロープを使っての登攀で攻略法を探ってゆく。

夏、秋とトレーニングを続けるが、その最中に難所から落下したアレックスは足首を捻挫してしまうのだが、驚異的な回復力を見せた彼はフリーソロを実行に移す。
ところがチャレンジは呆気なく幕を閉じた。
怪我の影響か精神的なものか、彼は序盤で引き返してしまったのだ。

そして2017年春、再チャレンジに向けてアレックスは黙々とトレーニングを続け、遂にまた山へ入っていく。

高所恐怖症じゃないけれど、この映像はヤバい。
これ見ちゃうとCG満載の山岳アクションなんて見ていられない。
彼を支えるクライマーの仲間たち、恋人、それに十年来の付き合いになるという気心の知れた撮影クルーたち。合間には同じようにチャレンジして散っていった他のクライマーたちの映像も挿入される。

当然アレックスにも苦悩や葛藤はあるし、それは撮影クルーたちも同じ。撮影がプレッシャーを与えてるんじゃないか、もしかしたら友人の死の瞬間を捉えることになるんじゃないか。
そして彼の傍らにある恋人の姿が実に健気で可愛らしい。
第三者視点ではなく、当事者目線というか仲間視点でのドキュメンタリーというのも新鮮で、自分もパーティに参加してる気分になってくる。

聞けば、同じナショナル・ジオグラフィック製作の山岳ドキュメンタリー映画「MERU/メルー」を手掛けた監督コンビの作品ということで納得。
あれも良い作品だったなあ。

最後は歴史的偉業を成し遂げてハッピーエンドでほっと一安心。
でもまた世界のどこかで次なるチャレンジを続けているんだろうなあ。




Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2019-09-22 10:07
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同日鑑賞3本をまとめてレビュー。 ◆『国民の創生』シネマヴェーラ渋谷 五つ星評価で【★★万年疲労体質の私にはキツい】 特集企画「素晴らしきサイレント映画」からの一本。 1915年の白黒映画、103分短縮版、無音バージョン、初見。 かの著名なグリフィス監督によるアメリカ映画最初の長編映画。流石にサウンド版じゃない長いの見るのはしんどい。ポコポコ意識飛んでる。 暴動を起こしたニグロが悪人でKK...... more
Tracked from いやいやえん at 2020-03-07 15:31
タイトル : フリーソロ
【概略】 稀代のクライマー、アレックス・オノルドが、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園にそびえる975mの断崖絶壁に挑む姿の一部始終を捉える。 ドラマ .0★★★☆☆ 己の手足だけを頼りに岩壁を登るフリーソロ・クライマーの前人未到の挑戦を追ったドキュメンタリー。 ロープも道具も使わずクライミング。何でこんなことするの?と思ってはいけないのでしょう。 死と隣り合わせのスリルにも魅了されている...... more
Commented by ふじき78 at 2019-09-22 10:09 x
ミッション・インポッシブルでクライミングから始まる奴があった。あれはヘリか何かから情報、手渡しだったか、道具は使っていたか? 詳細覚えてないけどイーサン・ハントが死ななかったのは何よりです。
Commented by odin2099 at 2019-09-23 21:41
> ふじき78さん

2作目だね。
あれは休暇中にフリークライミングをしていたところへ指令が届けられた、という形だった。
予告編では”見せ場”扱いになっていたけれど、結局アバンタイトル部分。
その後のシリーズも、予告での見せ場が冒頭に集中するという贅沢な画作りに。
by odin2099 | 2019-09-10 19:38 |  映画感想<ハ行> | Trackback(2) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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