
「フリーソロ」というのは、ロープや安全装置を使うことなく、体一つで数百メートルの断崖絶壁をよじ登るシンプルな方法。
もちろん一歩間違えば死に直結するという危険度MAXなものだ。
これはそんな危険に挑んだアレックス・オノルドに密着したドキュメンタリー映画で、今回の彼のターゲットはヨセミテ国立公園にあるエル・キャピタン、約975メートルのルート。
まずは2016年春、現地でのトレーニングを開始。
ロープを使っての登攀で攻略法を探ってゆく。
夏、秋とトレーニングを続けるが、その最中に難所から落下したアレックスは足首を捻挫してしまうのだが、驚異的な回復力を見せた彼はフリーソロを実行に移す。
ところがチャレンジは呆気なく幕を閉じた。
怪我の影響か精神的なものか、彼は序盤で引き返してしまったのだ。
そして2017年春、再チャレンジに向けてアレックスは黙々とトレーニングを続け、遂にまた山へ入っていく。
高所恐怖症じゃないけれど、この映像はヤバい。
これ見ちゃうとCG満載の山岳アクションなんて見ていられない。
彼を支えるクライマーの仲間たち、恋人、それに十年来の付き合いになるという気心の知れた撮影クルーたち。
合間には同じようにチャレンジして散っていった他のクライマーたちの映像も挿入される。
当然アレックスにも苦悩や葛藤はあるし、それは撮影クルーたちも同じ。
撮影がプレッシャーを与えてるんじゃないか、もしかしたら友人の死の瞬間を捉えることになるんじゃないか。
そして彼の傍らにある恋人の姿が実に健気で可愛らしい。
第三者視点ではなく、当事者目線というか仲間視点でのドキュメンタリーというのも新鮮で、自分もパーティに参加してる気分になってくる。
聞けば、同じナショナル・ジオグラフィック製作の山岳ドキュメンタリー映画
『MERU/メルー』を手掛けた監督コンビの作品ということで納得。
あれも良い作品だったなあ。
最後は歴史的偉業を成し遂げてハッピーエンドでほっと一安心。
でもまた世界のどこかで次なるチャレンジを続けているんだろうなあ。