
かなーりひさーしぶりの川井郁子さんのコンサートです。
なかなかタイミング合わなかったり、チケット取れなかったりだったんですが、今回は偶然コンサートのスケジュールを見つけ、ダメ元で申し込んだら取れちゃいました。
ということで紀尾井ホールへGO!
今回はソロコンサートといいつつ、ピアノ、ヴァイオリン3人にチェロ、コントラバス、ハープの計7人を従えた編成で、ちょっとしたミニ・オーケストラといったところ。
「12人のヴァイオリニスト」もそうですが、このくらいの人数でもアレンジ次第では厚みのある音楽を聴かせることが出来るんですね。
前半は「慕情」と「ある愛の詩」でスタート。
Vol.1はヒロイン中心だったのでVol.2はヒーロー特集、ということで続けて「カサブランカ」、「ゴッドファーザー」、それに「007/ロシアより愛をこめて」が演奏されます。
その後は”ロック特集”だそうで、「ボヘミアン・ラプソディ」と「アルマゲドン」。
「We Will Rock You」は川井さん自身が足でリズムを取り、客席も手拍子で「どんどんぱ!」をやったのですが、なんか雰囲気は「大漁節」みたいに。うーん、客層には明らかにミスマッチでしたね(苦笑)。

続いて「ジョン・ウィリアムズ作品メドレー」。
選ばれたのは「ジョーズ」と「シンドラーのリスト」、それに「ダース・ベイダーのテーマ」と「スター・ウォーズのテーマ」。
「シンドラーのリスト」はクラシック関連のコンサートでは割と取り上げられますが、「ジョーズ」はアレンジ含めてなかなか新鮮でした。
その後は「2001年宇宙の旅」から「美しき青きドナウ」。
川井さんは「映画のオープニングで~」というような解説してたように記憶してますが、それは「ツァラトゥストラはかく語りき」の方では?
ここで宇宙繋がりということで2曲。ゴダイゴの「銀河鉄道999」、そして「宇宙戦艦ヤマト」!
自身が出演している「100年の音楽」という番組でも「ヤマト」を取り上げて演奏したことがありますが、川井さんと「ヤマト」は合うんですよね。
「無限に広がる大宇宙」から主題歌へという構成でしたが、あのスキャットのメロディの持つ神秘的な雰囲気、それにスターシャのヴィジュアルイメージと、どちらも川井さんにピッタリ。
それに彼女の場合は母性を感じさせる部分もあるので(実際にお母さんですし)、今度製作される「宇宙戦艦ヤマト2205/新たなる旅立ち」にサーシャ(スターシャの娘)が登場し、あの「サーシャわが愛」を使うシチュエーションがあったとしたならば、故・島倉千代子の歌を誰かがカヴァーするのではなく、川井さんのヴァイオリンで奏でてしまうというのは如何でしょう?
「宇宙戦艦ヤマト2199/星巡る方舟」では主題歌を葉加瀬太郎のヴァイオリンでやりましたから、歌にこだわらなくても良いと思うのですがね。
そういえばこの「星巡る方舟」関連のアルバムには高嶋ちさ子も参加してますが、「ヤマト」はちさ子さんのイメージじゃないんだよなあ。やっぱり川井さんだよなあ…。
閑話休題。
前半のラストは黒澤監督の「生きる」で使われた「ゴンドラの唄」と、自作の「北のカナリアたち」でした。
川井さん作曲のオリジナル曲がこの一曲だけ、というのはコンサートの構成としては珍しい部類に入るんじゃないでしょうか。
さて後半は”ミュージカル特集”からスタート。
「マイ・フェア・レディ」、「サウンド・オブ・ミュージック・メドレー」(「前奏曲」と「ドレミの歌」)、「メリー・ポピンズ・メドレー」(「チム・チム・チェリー」と「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」)と演奏され、その次は”アニメ特集”。「ヤマト」も「999」もアニメですが、あちらは”宇宙映画”にカテゴリー上では分類されたようです。
「ジブリ作品メドレー」は「魔女の宅急便」の「海の見える街」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」の「いつも何度でも」、それに「天空の城ラピュタ」は「君をのせて」ではなく「空から降ってきた少女」の方かな、オープニングっぽいアレンジだったので。
「ディズニー作品メドレー」は「いつか王子様が」と「ホール・ニュー・ワールド」でした。実写版の「アラジン」公開されましたからね(じゃ「ライオン・キング」でもいいじゃん?!)。
次は”20世紀の偉大な作曲家”としてレナオード・バーンスタインを紹介。「ウエスト・サイド・ストーリー・メドレー」(「マリア」「トゥナイト」「アメリカ」の3曲)が取り上げられました。
続いてこれまた20世紀を代表する作曲家の「ミシェル・ルグラン作品メドレー」で、こちらは「シェルブールの雨傘」と「ロシュフォールの恋人たち」から「キャラバンの到着」の2曲が選ばれております。
プログラム最後はタンゴが2曲。
なんで唐突にタンゴ?と思ったのですが、「ポル・ウナ・カベーサ」は「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」で使用され、「リベルタンゴ」は「タンゴ・レッスン」で使われたとのことです。きちっと”映画音楽”縛りなワケですね。
アンコールはモンティの「チャールダーシュ」、これは特に映画との関連性は触れませんでしたね。純粋に曲の良さで選んだということでしょうか。
そして”最後の曲”として選ばれたのがコール・ポーターの「So in Love」。
これはミュージカル「キス・ミーケイト」の曲ですが、川井さんは「日曜洋画劇場」のエンディングテーマとして選んだとのこと。よくこの番組を見ていて、終わると「ああ、明日は月曜日だ」と憂鬱になったそうですが、わかってらっしゃいますねえ。
で、本来はこれで終わりの予定だったようですが、ちょうど台風15号が接近中とあって、「今演奏しないでいつ演奏する」と急遽取り上げたのがヴィヴァルディの「四季」より「夏」。確かに臨場感ありましたね。
これだけの曲目を演奏しながら、コンサートは2時間ちょっと。
川井さんは相変わらず色っぽいし、スタイルが良いし、存在そのものがセクシーで、視覚・聴覚ともに満足したコンサートでした。
ただ一曲一曲が短いのが玉に瑕。目先が変わって愉しいのですが、もっとじっくり聴いていたかったなあとも思います。次はいつ行けるでしょうか。
