とりあえず他の作品群をスルーし、この5本だけで<インフィニティ・サーガ>を愉しめるか検証してみようと考えたのだが、どうにもこうにも時間が取れない。休憩時間をかなり少なめに見積もっても、5本も見ると朝から晩まで一日がかりになるからで、それはまあ将来のお楽しみとして取っておくとして、やっぱり「エンドゲーム」見たいよん、ということで”前後編”鑑賞に落ち着いた。
さて、”後編”の「エンドゲーム」。
宇宙を漂流するトニーとネヴュラ。ちょっとしんみりする場面だが、やがて救いの手が。キャプテン・マーベル=キャロル・ダンヴァーズの登場だ。
そして帰還したトニーとスティーブとの再会。しかしこれは和解ムードとは程遠い険悪なものに。
一方人生の目標を達成したサノスは、悠々自適の隠居生活。そこに殴り込みをかけたのがアベンジャーズの残党たち。あっという間にサノスをやっつけてしまうので拍子抜け。でもこれが実は壮大な前フリだとは、この時点では気付かなかった。

そして5年後、無駄な足掻きを続ける元アベンジャーズたちに朗報。前編をお休みしていたアントマン=スコット・ラングが起死回生の妙案を思いついたのだ。これまた前編を欠席したホークアイ=クリント・バートンをはじめ、ハルク、ソー、それにトニーとなんだかんだでメンバーが揃い、「タイム泥棒」計画がスタート。途中ハプニングがありながらもなんとかこれを完遂し、そして大成功!
…と喜ぶのは早かった。
過去の世界からサノス軍団が再び侵攻、再結成なったアベンジャーズも善戦するが多勢に無勢。もはやこれまでか。
しかしここで消えて行った仲間たちが続々と再登場。
そしてキャップが叫ぶ「アベンジャーズ、アッセンブル!」
大げさに言えばこれ、映画史に残る名シーンで、ここだけ見直しても体中がブルブル震えてくる。それぐらいエモーショナルなシーンで、これまでの<MCU>21作は全てこのシーンのためにあったのだ、とハッキリわかる。
しかしこれは心地良い疲労感に包まれた至福のときでもあった。
<フェイズ1>から<フェイズ3>までの<インフィニティ・サーガ>は、続く
「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」で幕を下ろし、来年は「ブラック・ウィドウ」から<フェイズ4>が新たにスタートを切るのだが、それを前にしてここのところ残念なニュースが駆け巡っている。
かねてから不安定な状態にあったスパイダーマンを巡って、マーベル・スタジオ(=ウォルト・ディズニー)とソニー・ピクチャーズが決裂。スパイダーマンが<MCU>を去るというのだ。
かつて自前の映画製作システムを持たなかったマーベルは、経営難に陥ったこともあって各キャラクターの映画化権をバラ売りしていた。「ハルク」はユニバーサル、「デアデビル」「ファンタスティック・フォー」「X-MEN」は20世紀FOX、「スパイダーマン」「パニッシャー」「ゴーストライダー」はソニーといった具合。
その後マーベル・スタジオを立ち上げ、手元に残っているキャラクターや権利が切れたり、買い戻したキャラクターを使い<MCU>をヒットさせたのはご存知の通りだ。
三部作がヒットしたことでドル箱となった「スパイダーマン」は依然ソニーが権利を持ち続けている。そのソニー、リブートした「アメイジング・スパイダーマン」がイマイチだったことからマーベル・スタジオに接触し、<MCU>にスパイダーマンを登場させる代わりにソニー製の「スパイダーマン」映画をマーベルが作るということで合意。言ってみれば「期限付きレンタル移籍」みたいな形で<MCU>に参入していたんである。
ところが契約延長交渉にあたって双方の主張に隔たりがあり、遂にスパイダーマンはソニーの元へ戻るということになったワケだが、今さら<MCU>世界に触れずに「スパイダーマン」の物語を作るのは至難の業だし、一方の<MCU>にしたって「これからの大黒柱」的な描き方をした以上それを「なかったこと」にするのも難しい。ケンカ別れではなく円満だと強調はしているものの、この<MCU>離脱問題はソニー、マーベル双方にデメリットしかもたらさないと思うんだがなあ。
一部の報道に寄ればその後両社の交渉が再開され、今度は逆に
「ヴェノム」の<MCU>入りを含めてスパイダーマン残留の可能性が出て来たとの見方もあるようだが、ここは是非とも話がうまくまとまって欲しいものである。
ディズニーによる20世紀FOXの買収により、今度はX-MENやファンタスティック・フォーの<MCU>入りが確実になったとはいえ、やはりスパイダーマンはマーベルコミックを代表するキャラクターなのだから。
<過去記事>