太宰治の「人間失格」の映画化、ではなく太宰がこの作品を書くに至るまでのサイドストーリー。
太宰の妻・美知子、太宰の愛人のひとり太田静子、そして太宰の心中相手となった最後の愛人・山崎富栄の3人の女性にスポットを当て、太宰が「人間失格」を書きあげ死を選ぶまでの”最後の2年間”を、「事実に基づき」「フィクションとして」描いている。
出演は小栗旬、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也ら。
監督は蜷川実花。

まー、最初から最後までカラフルな映画でした。
でも全体通すと空虚で、正直何が言いたいのかよくわからなかったです。
太宰治って最低のクズ男(演じてる小栗旬はチャーミングでしたが)だなあとか、太宰に弄ばれてるようで、実は太宰を利用した女性たちは強いなあとか表面的な感想は色々と出てきますが、結局観客は太宰治のことを憐れめばいいのか、それとも笑えばいいんでしょうかねえ。
ヒロインその一の宮沢りえは、流石に歳喰ったなあという印象。
まあ実際に小栗旬よりも10歳近く年上なんでしたっけ。でもそれがかえって太宰との関係が単なる夫婦ではなく、出来の悪い子供を溺愛する母親のように見えて結果オーライです。
ヒロインその二の沢尻エリカは、イメージ通り(?)の奔放な女性。
かと思いきや意外に弾けっぷりが足りず、また出番もさほど多くはありませんでした。それにラブシーンもあるんですが、もっと出し惜しみしないでしっかり”魅せて”欲しかったんですけど。
ヒロインその三は二階堂ふみ。宮沢りえよりも20歳若いのかあ。
彼女だけがヌードも見せる大熱演。ある意味で一番強く、一番怖い役でした。
何故か時折彼女の顔が宮崎あおいに見えたりしたのはナイショです。
そういえば出演者の中に山谷花純と壇蜜の名前があってビックリ。
花純ちゃんは冒頭に出てくる太宰の心中相手の愛人らしいけど、壇蜜はどの役だったんだろう?
ラストシーンというか、最後のショット、あれは「しまった、こんなはずじゃなかった」という太宰の表情?