集金人として旅をしている青年ツァイサンだったが、無一文なので仕方なく蘭若寺という荒れ寺に泊まることにする。
ここは魔物が出ると曰く付きの場所であり、途中で出会ったイン道士からも忠告を受けていた。
その夜ツァイサンは琴の音色に導かれてとある家を訪れ、そこで美しい娘スーシンと出会う。

香港映画を色々見ていた頃の作品で、何年振りかで見直したが、スーシンのこの世のものとは思えぬ美しさ(実際に幽霊なのだが)は未だ色褪せない。
清楚にして妖艶、儚げにして強いヒロインはジョイ・ウォン一世一代の当たり役。
見えそで見えない、しかも大胆な脱ぎっぷりも実に良い。
一応中国の古典「聊斎志異」を原作にしているようだが、大幅に脚色されているらしい。
もちろんジョイ・ウォンの魅力だけだけじゃなく、貧乏書生を演じたレスリー・チャン(既にアラサーだったよなあ、彼は)も可愛らしいし、何と言っても同士役のウー・マの怪演!
ヒラヒラ舞う布の美しさと、それを引き立てるワイヤーアクションの妙。
それにペーソスがある主題歌も良かったなあ。
最後がハッピーエンドか?と思わせておいての悲劇。
それでも暗いまんま終わるのではなく、何となく希望を持たせる締めなのも良い。
数々の亜流作品を生み、またジョイ・ウォンも似たような役を振られるようになっちゃったけど、それも仕方がない。
それだけ良く出来た作品だったということなんだから。