
19世紀のパリ、高名な詩人の娘マリーは新進気鋭の詩人ピエールと恋に落ちるが、両親はピエールの親友で、同じくマリーに恋い焦がれている裕福なアンリとの結婚を決めてしまう。
愛のない結婚に倦み始めたマリーの元へ、ピエールが帰国したとの報せが届く。失意のピエールはアルジェリアで退廃的な生活を送っていたのだ。
たまらずにピエールの元へ駆けつけたマリーは彼と結ばれるのだが…。
生涯に2,500人の女性と関係を持ったと豪語した詩人ピエール・ルイス、その死後に彼が撮影した大量のポルノ写真が見つかったが、その中には親友の妻マリーのものもあった、ということに着想を得た物語とのことなので、必ずしも事実に基づくものではないらしい。
1人の女性を巡っての親友との三角関係、人妻の不倫という部分だけを見れば安っぽいメロドラマのようだが、男性の添え物であることに満足出来ず、束縛を嫌い、また社会に自分を認めてもらおうともがいている女性の自立の物語という側面があることが、安っぽさの代わりに深みを与えてるようだ。
といってもイメージショットが多く、台詞で多くを語らない演出なので登場人物たちの心理状態がよくわからないのと、そもそもメイン格で出てくる人物たちの相関関係の説明があまりなく、時間経過も明確にはされていないのでストーリーを追いかけるのは少々手間取る。もう少し観客に情報を与えても良かったのではなかろうか。
またR18+のレートで公開されているので女性のヘアーも堂々と映し出されているが、男性器までそのままなのには少々驚いた。