匂いを嗅いだ相手を虜にさせる香水を巡っての大騒動を描いた、フランスで作られた「シティーハンター」の実写版。今年は春先に
新作アニメがあり、年末には実写版。正に「シティーハンター」イヤーですな。
最初に予告映像を見た時は「あれれ?」という感じだったけど、見ているうちに主人公の二人がどんどん冴羽獠と槇村香に見えてくるから不思議。
監督・主演のフィリップ・ラショーの原作愛が凄い。
ちなみに香役のエロディ・フォンタンは私生活でもパートナーだそうで、二人の息があってるのも頷けるハナシ。

ストーリーは映画オリジナルだそうだが、原作者の北条司センセイからのお墨付きで、コピーじゃないけど「この手があったか」と思ったそうで、うるさ型のファンもこれなら「シティーハンター」だと納得するんじゃないかな。
また結構下品な、というかお下劣でエッチなシーンも当然のように(?)あるんだけれど、場内は大受け。客席には若い女性が相当数いたけれど、皆さん寛容ですなあ。
また劇中には他作品からの小ネタも満載。
サッカー少年の名前が翼だったり、亀仙人にそっくりの爺さんがいたり、空港内のアナウンスが来生さんから内海さんへの呼び出しだったり、「聖闘士星矢」や「らんま1/2」のもじりがあったり…(更に吹替では某さんが「ひでぶ!」と叫んでる!)。
そして今回は<デラックス吹替版>での上映。
海坊主に玄田哲章、槇村秀幸に田中秀幸、野上冴子に一龍斎春水とアニメ版のオリジナルキャストが起用され、他に浪川大輔、多田野曜平、土師孝也、ちふゆが出演している。
ところで冴羽獠はフィリップ・ラショー本人から直々に「神谷サンで」という希望があったそうだが、本人が固辞し代わりに推薦した山寺宏一が起用されている。
「アニメじゃなく実写の獠だから」というのが断った理由だそうだが、これは山ちゃんで正解。
当方、40数年来の”神谷明ファン”ではあるけれど、神谷さんは言ってみれば”偉大なる大根役者”で、ナチュラルな芝居は不得手。アニメならいいけど洋画向きの人じゃないから、実際に演じていたらかなーり浮いたと思う(ま、それでもちょっとは見てみたかったが)。
槇村香役も伊倉一恵じゃなく沢城みゆきに交代しているけれど、こちらの事情は不明。同じような理由だったのか、それともパートナーだから揃って降板だったのか。
しかし山ちゃんにしろ、沢城さんにしろ、モノマネしてるワケでもないのによく特徴や雰囲気を掴んでるので毎度のことながら感心しちゃう。二人は例えば銭形警部であり、峰不二子であったりもするんだけど、これまた納谷悟朗にも増山江威子にも似てないのに違和感をまるで抱かせないんだから、ホントにプロだよなあ。
で、神谷明・伊倉一恵のお二人ともゲストキャラで参加。
神谷さんは二役やってるけどどっちもすぐにわかる。
しかし伊倉さんは、これは言われないとわからないかなあ。これまたお見事。
あとは春の新作アニメでも思ったけど、麻上さん…じゃなかった一龍斎春水さんもキツイなあ。もし次があったらキャストは入れ替えになりそう。
映画のラストは当然のようにTM NETWORKの「Get Wild」が流れるので、ああ「シティーハンター」だったなあという気分で劇場を後に。皆さんの満足度はかなり高そうでした。
ただ「Get Wild」が流れるのって、もしかすると<デラックス吹替版>のみなのかな。
エンドクレジットには曲名表記がなかったので、あちらでの公開版では使ってないのかも。
この曲があるとないとじゃ映画の雰囲気が随分と変わっちゃうけど、ねえ?