『ゴジラ(1984)』
2019年 12月 11日


シリーズの一番最初の「ゴジラ(1954)」の完成度・内容の深さ・メッセージ性などについては既に多くの方々が語っておられますので私も深く申し上げる事は無いと思いまして、昭和最後のゴジラ映画「ゴジラ(1984)」とひっくるめて話題に入らせて頂く事に致しました。
「ゴジラ(1984)」は昭和シリーズの続きでは無く、後の平成VSシリーズの序章になるのですよね。と言うか、本来ならゴジラはあのまま三原山で永遠の眠りにつくはずのところが、ファンの熱意によって平成に入ってからは火山内でも生存可能な神がかりな怪獣に生まれ変わってしまいました(汗)。
昭和の時代の怪獣達(ゴジラも含めて)なら火山に入ろうものなら、こんがり丸焼きになってしまうでしょうが、VSシリーズのゴジラは口からだけで無く体から放射熱線を発する事ができるようになっています。VSゴジラが生身でありながら火山内で活動可能なのは、これを応用したバリア能力のお陰と思っております。
平成時代に入ってからのゴジラは昭和の時よりも体が大きくなり、能力もパワーアップしてますが、特筆すべき事は核爆発に耐えるというか吸収してしまう事ですね。昭和のゴジラはここまで不死身ではありませんでした。
(続く)

「ゴジラ(1954)」で山根博士はゴジラが水爆の洗礼を受けながら生きていると言われてますが、セリフをよく聞いていると博士の言う水爆の洗礼というのは「核爆発」では無く「放射能」の事のようです。昭和のゴジラは巨大な体と分厚い皮膚が通常兵器を受け付けないというだけで、作戦で動きを止めて喉元を集中攻撃すれば倒せる相手だと思います。ただ、放射熱線という飛び道具がそれを阻止してしまいますけど。
ですから、もしオキシジェンデストロイヤーが無ければゴジラ殲滅の為に核兵器の使用が考えられたかもしれません。
(現に「三大怪獣」の時にはゴジラ&ラドン対策に核兵器の話が出てますし「南海の大決闘」の時には核爆弾を察知したゴジラが大慌てで退避しています)
地球上最強の生き物とはいえ、昭和の頃のゴジラには生身の生き物としての温かみを感じてますが、VSシリーズ以降の生物としては飛躍し過ぎてしまった平成時代のゴジラは、もはや神レベル・・・・・・(汗)。
私としては「ゴジラ(1984)」のゴジラがあのまま生身の生き物として三原山で永遠の眠りについて欲しかったですが、平成という新時代がそれを許さずゴジラを神にしてしまったようですね・・・・・・(しんみり)。
いらっしゃいませ。
この作品の肝は、何気にそれまでのシリーズとの絆を断ち切ったことにあると思います。
ここに出てくるゴジラは一般的に”3代目”と呼ばれることもあるのですが、実はこの世界では2匹(2頭)目のゴジラで、タイトルこそ「ゴジラ」なので一作目のリメイクのようにも見えてしまうのですが、実際には2作目の「ゴジラの逆襲」のリメイクという立ち位置になります。
この作品での描写を見る限り”初代”ゴジラとの能力的な差異はあまり見受けられませんが、ご指摘にあるような秘められたパワーはまだ眠っていたのかもしれませんね。
三原山の火口から颯爽と登場する「VSビオランテ」のゴジラは、明らかにパワーアップしている感があります。
ただ核への耐性ということであれば、それは「VSキングギドラ」以降の復活(再生?)ゴジラの能力なのかもしれないなあとふと考えました。
現代の核兵器によってゴジラ化したこの個体は、更なるパワーアップを感じさせますね。
「ヤツは我々の常識を超えた生物だ」という台詞が出てくるのは「VSモスラ」ですが、その結果パワーインフレを招いてしまったようにも思われます。
インターバル期間をおいたミレニアム・ゴジラでは、そのあたりはボカされてるようでもありますが。