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『氷菓』(2017)

『氷菓』(2017)_e0033570_12101584.jpg高校一年の折木奉太郎は、姉からの厳命で廃部寸前の古典部へ入部するが、そこには隣のクラスの千反田えるも「一身上の都合」で入部していた。
奉太郎とは中学時代からの腐れ縁の福部里志や伊原摩耶花も成り行きで入部し、部の活動としてまずは文化祭で文集を発行することになる。
実はえるには、幼い頃に元古典部の部長だった伯父から聞かされた古典部に関する思い出の中に、気になることがあったのだ。
「氷菓」という文集のバックナンバーを探しているうちに、33年前に学校で起きたある事件の真相が明らかになってゆく。

シリーズ化もされている米澤穂信の人気小説を、安里麻里の脚本・監督で映画化。
出演は山﨑賢人、広瀬アリス、小島藤子、岡山天音、本郷奏多、眞島秀和、貫地谷しほり(声のみ)、斉藤由貴ら。

『氷菓』(2017)_e0033570_12102515.jpgミステリー物ではあるのだが、内容が地味。
実際、事件が解決したからと言って何か状況が好転するわけでもないので、謎解きが済んだ後のカタルシスもこれといってない。
原作未読でアニメ版も見ていないが、原作に忠実とかアニメ版をかなりトレースしてるという声を聞くので、元々がそういう話だったのだろう。

主人公は安楽椅子タイプの探偵。
用意された情報を元に推理を働かせるのだが、最後の謎解きは主人公ではなくキーパーソンがベラベラ喋るという親切設計。
一応主人公がお膳立てし、自分の推理を披露した上でのことではあるのだけれど、そこで「実は違ってました~」とやられるので少々興ざめ。
また、真相が明らかになっても、だからどうなんだ?としか思えないのだが。
本筋に至るまでに主人公が見せる推理力の描写はなかなかのものなので、余計勿体なく感じる。

そしてもう一言。
年齢相応のキャストを集めよう。
20代前半の俳優に、高校一年生を演じさせるのは、コスプレ感が強すぎてやっぱり無理がある。
ヒロインが、天真爛漫で愛らしい存在であれば救われるのだが、我儘で強引な自己チューな性格にしか映らないのもマイナスだ。



Commented by ふじき78 at 2020-01-13 23:34
タグみて「角川映画」なのか、と。

題材が角川的だけど随分予算さかなくなった感じ。
Commented by odin2099 at 2020-01-14 20:28
> ふじき78さん

かつての角川映画というと、予算掛けてハッタリかました映画、というイメージがあったけど、今は全然違うからね。
出版とのメディアミックスもそんなに露骨にやらないし。
by odin2099 | 2020-01-05 12:11 |  映画感想<ハ行> | Trackback(1) | Comments(2)

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