ソーン財団のトップになったダミアンは大統領顧問も務め、今また駐英大使にも任命された。
予言によればまもなく英国に誕生する救世主を抹殺するため、自ら望んでその地位に就いたのである。
一方イタリアの修道院のル・カルロ神父は密かに7つの”メギドの剣”を手に入れ、ダミアン殺害に動き始める。
大人になったダミアンを演じるのはサム・ニール。
この役のインパクトが強すぎて自分の中ではすっかり”悪役顔”として認識していたのだが、世間一般にはごくごく普通に二枚目俳優として扱われており、後に4代目007候補に上ったり、『レッド・オクトーバーを追え!』や『ジュラシック・パーク』など”大作を支える顔”になっていたりするのがちょっと意外でもあった。
己の野望を邪魔するものは悉く排除し、救世主誕生を確信した後はその時刻に誕生したイギリス中の男児を皆殺しにしようとするダミアンだが、自らは手を染めない。
相当”悪い奴”ではあるのだが、”悪魔の子”と呼ぶほどかと言われるとノー。
ゆくゆくは合衆国大統領の座を狙っていたのだろうが、その程度で満足してるんなら小さい小さい。
またダミアンを阻止しようとする神父の一団も、無為無策で次々に返り討ちに遭う、というよりも自滅していくだけなので、これを神と悪魔の代理戦争と呼ぶのも笑止。
結局は何故かダミアンが心を許したシングルマザーのニュースキャスターに、メギドの剣を刺されて絶命するので、別に救世主は必要なかったんじゃなかろうか。
ジェリー・ゴールドスミスの重厚な音楽に彩られてはいるものの、ハルマゲドンとは程遠いスケールの物語となってしまった。
ちなみにこの作品が完結編として作られているが、更に『オーメン4』が作られ、リメイク版やテレビシリーズ化もされている。