ただし市川崑監督の当初の構想よりも長く、しかも望まない競技のシーンも含まれたために、本人は不満を持っていたとのこと。
そこで40周年を記念し、新たに再構成されたのがこの<ディレクターズ・カット版>。
オリジナル公開版170分に対し、こちらは148分。実に22分も短くなっている。
とはいうものの、やはり自分の目には冗漫で退屈な作品にしか映らなかった。
選手に焦点を絞るのか、観客を点描するのか、裏方にスポットを当てるのか。
リアルタイムで大会を体感した人なら良いのかもしれないが、ただ見ているだけでは今映し出されている選手がどこの誰で、どういう記録を出し、結果誰が勝ったのか、といった基本事項すらわからない。
”公式記録映画”としては、構造上かなりの問題点があると言わざるを得まい。
東京オリンピックそのものを追体験することも出来ず、辛うじて昭和39年の東京の、日本の空気の一端には触れられるだろうか。
さて、今年開催される大会の公式記録映画の監督に選ばれたのは河瀨直美監督だが、記録だけでなく記憶に残るオリンピックを掬い取った作品にして欲しい。
【ひとりごと】
中学の時のクラスメートの父親が何度か映っているのが、個人的には感慨深い。
もう亡くなられたが、著名なメダリストだった。