イオン・プロ製作の<ジェームズ・ボンド>シリーズの9作目。
しかしイオン・プロを設立しアルバート・R・ブロッコリと共にシリーズを牽引してきたハリー・サルツマンは、いわゆる”創造性の違い”というヤツで本作を最後にイオン・プロを離れ、以後はブロッコリが単独でプロデュースしていくことになる。

今回はのっけからボンドに匹敵する実力の持ち主の”殺し屋”スカラマンガが登場し、序盤から両者の対決ムードを煽ってゆくという内容。
それに今度は黒人映画ブームではなく、カラテ映画、カンフー映画ブームに則り、アジアを舞台にアジア人が大勢登場する。機を見るに敏というか商魂逞しいというべきか。
更に前作に登場したペッパー保安官が再登場。本筋に関係ないキャラが連続して出てくるのは「ドクター・ノオ」と「ロシアより愛をこめて」に登場したシルビア・トレンチ以来かと思うが、作品全体のアクセントにはなってはいるものの、やはり邪魔っけな存在であることに違いはない。今回でお役御免になり、ほっと一安心。
世界征服を企むような巨悪は登場せず、また前作に続いてコミカルなやりとりが目立つものの、この頃のロジャー・ムーアはそれなりの動きも見せ、また冷酷なスパイの一面も垣間見せるなどシリーズ初期の持つ雰囲気を大事にしようとする演出も目立つ。
ただそれがロジャー・ムーアの個性にあっていたかどうかは別の話であるが…。
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